ナースの卯月に視えるもの2 絆をつなぐ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年11月6日発売)
本で見る
3.86
  • (24)
  • (29)
  • (37)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 408
感想 : 34
5

今回も何度涙を流したか分からない。

看護師になって5年目。

元気になって退院される方もいるし
最後の瞬間に立ち会うこともある。

元気になって退院されたら勿論嬉しい。

逆に最後の瞬間に立ち会った時は
私はちゃんと看護できてただろうか?
あの時の声かけは正しかったのかなぁ?
爪切りしてあげれば良かったなぁ
とか悩むことばかり。

でも
状態が悪くなっていくのを
受容できなくて取り乱してた家族が
最後は涙を流しながら一瞬笑顔で
患者さんに「ありがとう、お疲れ様」って
声をかけてるのを見ると
家族への声かけは良かったのかなぁ
と少し不安が軽くなる。

看護師だって人間だから
最後に立ち会うのは悲しいし
看護師が落ち込んでたら
更に家族を不安にさせてしまうし
落ち着いて寄り添えなくなると思って
必死に冷静になろうと頑張ってる。

だけど
冷静になろうとすることで
冷たい人と思われてないかなぁとか
ふとした瞬間に考える。

❥❥❥❥❥❥
今回の物語の中で
年齢や病状を踏まえて積極的な治療はせず
本人が苦しくない治療をするって
子供や孫が悩んで決めた患者さんが登場した。

患者さんの曾孫は小学生で
曾祖母の治療についての説明を聞いて
誰も助けようとしてくれなかった
って感じて不信感を抱いてしまった。

どの治療を選択するか
家族へどうやって説明するか
本当に難しい課題だし
正解なんてひとつもないと思う。

その人にとっての正解を
沢山考えて見つけていくしかないから
一緒に考えるって大切なことだと
曾孫の姿を見ながら思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫本
感想投稿日 : 2024年12月7日
読了日 : 2024年11月17日
本棚登録日 : 2024年11月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする