官僚村生活白書

著者 :
  • 新潮社 (2010年6月1日発売)
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本棚登録 : 44
感想 : 10

ほとんど著者による官僚への取材のみを元にして書かれた本ですが、あまりに浅薄な分析と描写が続き、最後まで読むことはなさそうです。のっけから、小中高トップクラスであったのに国家公務委員試験で1位でなかったことに挫折を味わったというようなエピソードが出てくるのですが、事実であったとしてもこれが例外的であることなど誰にでも判ることです。東大法学部に進学するような人物であれば、少なくとも高校生になればほぼ確実に全国規模の模擬試験を受けているはずですが、そのような模試で常にトップをとる人はほとんどいません。もちろん複数回の模試を受けて、全国でも一度も2位以下に落ちたことのない人が存在する可能性は否定しませんが、しかしこれは非常に例外的であって、このような人物をさも典型例のように示す書き方には着いていくことができません。また、キャリア官僚を指して、「彼らほど勉強熱心で努力を厭わない人種はいない」と、比較の対象もなく(一番ということなので他のすべてと比較しなければなりませんが)断定してしまっているのも理解できません。その他官僚の発言内容の解釈なども、著者の思い込みによって歪められていると感じます。全体的に、もっと多量の具体例を示したうえで、数量データなども提示しないと、ほとんど説得力を持たない記述であるとの印象を拭えません。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 職業
感想投稿日 : 2012年4月6日
本棚登録日 : 2012年4月6日

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