きりこについて (角川文庫)

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本棚登録 : 3493
レビュー : 349
著者 :
すずめさん 読みました。   読み終わった 

幼い頃から両親の愛情をたっぷり受けて育ったきりこ。
「私はかわいいお姫さまなのだ」と思っており、周囲にもそのようにふるまっていたきりこに一大事件が起こったのは5年生のとき。
初恋の男の子の「ぶす」の一言が、きりこに大きなショックを与えたのです…。

「ぶす」という言葉の持つ威力はすごいな…と思い知らされます。
本文中であえて太字で強調された「ぶす」の2文字に、ぎょっとさせられることたびたびでした。
それに加えて、きりこの外見の描写も容赦ない。
けれど、それと対照的に浮かび上がってくる、きりこの内面の純粋さから目をそらせませんでした。

自分とはなにか、自分を幸せにできるのは誰か。
西さんのぱっきりとした文章が導いてくれた結末は、あたりまえゆえについ忘れてしまいがちなこと。
読み終えたとき、自分のことを前よりも大切にしようと思える、ビタミン剤のような1冊でした。

それから、きりこの相棒である黒猫のラムセス2世がたまらないのです…!
賢くて、きりこに絶対の信頼をよせていて、いつでもきりこの味方でいてくれる。
西さん流の、猫たちの世界にどっぷりと身を浸せる至福を味わいつつ読了。

レビュー投稿日
2019年3月30日
読了日
2019年3月11日
本棚登録日
2019年3月30日
6
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