斜陽 (新潮文庫)

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本棚登録 : 9247
レビュー : 1077
著者 :
すずめさん 読みました。   読み終わった 

冒頭、かず子の母がスープを飲む場面からいきなり引き込まれてしまいました。
ひらり、ひらりと燕のようにスプーンを運ぶ母の姿からうかがえるかつての日々と、現在のこの母子の境遇の差にくらりとさせられるのです。
物語が始まった時点で、すでに彼らの滅びの予感は漂っているのですが、どんどん濃厚になっていく滅びの色から目が離せなくなってしまいました。

語り手のかず子、彼女の母、弟の直治、小説家の上原。
この主要な登場人物たちには、共感できない部分や思わず眉をしかめたくなってしまう言動もあります。
しかし、自分の中にもこの4人がいるような気にさせられるから不思議です。
程度の差こそあれ、きっと誰の心にも4人は潜んでいて、普段はそのことに気付いていなくても太宰治の文章を読んでハッと気付かされているのではないでしょうか。

レビュー投稿日
2013年11月18日
読了日
2013年11月15日
本棚登録日
2013年11月18日
7
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