ひらがなや簡単な漢字だけで綴られた、句読点もない"けえかほうこく"から始まる本書。
この経過報告は書き手であるチャーリィ・ゴードンの急激な知能の発達に伴い、書かれている内容はどんどん変化していきます。
彼の一人称の報告を読んでいると、だんだんチャーリィの記憶や心の動きがシンクロしてきて、いつしか自分の中にチャーリィがいるような気持ちになりました。
知能が高くなるにつれ孤立していくチャーリィ。
だんだん周囲が離れていく様子も、よみがえる幼少時代の記憶も、読んでいてとても苦しかったです。
「かしこくなりたい」という彼の望みは叶ったのに…。
この望みの根底には「かしこくなればもっと愛してもらえる」という思いがあるゆえに、よりいっそう切ないのです。
終盤からラスト一行まで、油断すると泣いてしまいそう。
ああ、すごいものを読んだ…という静かな興奮とともに本を閉じました。
読後も胸の中を駆け巡るさまざまな感情を、うまく言葉にまとめられないのが悔しいです。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2018年9月10日
- 読了日 : 2018年8月24日
- 本棚登録日 : 2018年9月10日
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コメント 5件
mayutochibu9さんのコメント
2022/02/12
すずめさんのコメント
2022/02/19
mayutochibu9さんのコメント
2022/02/19
すずめさんのコメント
2022/02/23
mayutochibu9さんのコメント
2022/02/23