この世に心残りがある死者の前に現れる"とりつくしま係"。
この"とりつくしま係"と契約すると、この世にあるモノを1つ選んでとりつくことができるのです。
本書は死後に何かのモノにとりついた10人の物語を収めた短編集です。
歌人としても活躍されている東さんの小説は初めて読みました。
1つ1つは短いのに、1編読み終えるごとに2時間ドラマを1本観たかのような、鮮やかな印象を残します。
遺された人々を見守る視点で進む物語は、温かい中に絶妙な淋しさや切なさが効いてくる読後感。
個人的には「白檀」「名前」「マッサージ」「レンズ」が好みでした。
もし自分だったら何にとりつくだろう…。
遺した家族をずっと見守っていたいような、新たな生活を送っている姿を見届けられたら去りたいような…。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2019年4月16日
- 読了日 : 2019年3月31日
- 本棚登録日 : 2019年4月16日
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