Yの悲劇 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (1959年8月30日発売)
3.82
  • (156)
  • (159)
  • (215)
  • (15)
  • (4)
本棚登録 : 1425
感想 : 129
4

湾から引き揚げられた1人の男の遺体。
これが呪われたハッター家を舞台にした事件の始まりでした。

ハッター家の面々は"風変わり"という言葉では物足りないほど、常軌を逸した性質を抱えています。
一家の頂点に君臨する老婦人をはじめ、各々に恐怖や不安を感じさせる要素が多すぎて、読んでいてとにかく気が休まらないのです。
そんな家で起こった殺人事件が一筋縄でいくはずがありません。
警察から相談を受け、ドルリー・レーンが現場へ赴きますが…

手がかりを見つけるにつれ、レーン氏の表情が悲痛になっていくのが読んでいてつらかったです。
事件の真相を見届けたくて、ページをめくる手は止まりませんでしたが、自分も険しい顔になっているのがわかりました。
そして、何が起こったのかを読者に仄めかすラストシーン…

間違いなくおもしろかったのだけど、重苦しさを拭いきれない読後感。
しばし放心したのち、もやもやした気持ちを頭の中でこねくり回していたのでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2022年1月22日
読了日 : 2021年12月14日
本棚登録日 : 2022年1月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする