電信柱と妙な男: 小川未明怪異小品集 (平凡社ライブラリー)

著者 :
制作 : 東雅夫 
  • 平凡社 (2019年7月12日発売)
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本棚登録 : 80
感想 : 10
3

小川未明の怪異作品を集めた1冊。
前半はちょっと不気味なおとぎ話や民話…といった作品が多かったのですが、後半に行くにつれてぞくりとする読後感のものが多くなってきて、背筋が寒くなりました。
特に、結末が描かれていないときの余韻が…

語り手がブリキ屋根の粗末な家に住む女について思いを馳せる「抜髪」は、語り手の感情の高まりからの唐突な結末に、空しさと気味悪さがあとに残ります。
「暗い空」は、黒い煙突になぜか強く惹かれた語り手がむかえる、理不尽なのに逃れられない結末にぞくり。
しかも、その結末を自然なことのようにすんなり受け入れようとする語り手…「なぜ?」が語られない怖さが印象的でした。

余談ですが、平凡社の文豪怪異小品シリーズ、中川学さんのカバー装画がどれも美しくて見入ってしまいます。
怖い話はそんなに得意ではないのだけれど、美しさに惹かれて怖いもの見たさが勝ってしまう…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2020年5月10日
読了日 : 2020年4月10日
本棚登録日 : 2020年5月10日

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