七つの人形の恋物語 (海外ライブラリー)

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本棚登録 : 94
レビュー : 25
制作 : Paul Gallico  矢川 澄子 
すずめさん 読みました。   読み終わった 

都会で挫折し、絶望とともにセーヌ河に身投げをしようと歩いていた少女が出会ったのは、小さな人形芝居小屋の舞台に入れ替わり立ち替わり登場する、個性豊かな7人の人形でした。
彼らとの会話に救われた少女は、この人形たちの一座に加わることになります。
しかし、この一座の座長はあたたかみもやさしさも感じられない、不吉な気配さえする男だったのです…

少女のことが大好きでかまってほしがる人形たち。
しかし、彼らを操っているはずの男は、蔑むような言葉や暴力で少女を苦しめます。
幸福感と笑顔にあふれた昼の舞台と、それとは正反対の舞台以外の時間。
その隔たりに困惑しつつも、少女が生まれ持った心の美しさで一座を導いていく姿から目が離せませんでした。

うらぶれた街角から始まった物語に秘められた、きらめくような純粋さが、とてもまぶしく感じました。
「多重人格者との恋」という特殊な状況を描いているようでいて、実は一人の人間にはさまざまな一面が共存していること、恋愛とは相手のさまざまな一面をひっくるめて愛することだという、普遍的なことを描いていたのだなぁ…と、読後にじんわりと噛みしめたのでした。

レビュー投稿日
2015年12月6日
読了日
2015年11月22日
本棚登録日
2015年12月6日
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