気まぐれにフリースロウ (講談社文庫)

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感想 : 1

ボクシング、バスケット、アーチェリー、トライアスロン、ゴルフ、ウィンドサーフィン、社交ダンス、マラソン。さまざまなスポーツを題材に、都会に生きる人々の行き交いを描く短編集。/「とにかく、勝ちましょう」「なにごとによらず、負けるというのはいやなことなんだから」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/今それをやっておかないとダメだという瞬間がある。そのときにね、突っ込めるか、否か。不安を捨てきって前に行かれるか、否か。すべてはそれで決まる。勝つっていうのは、そういうことですよ」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/風をつかまえて、マウイの海を走っているときだった。ふと彼は考えてしまったのだ。おれは一体、何をやっているのか、と。(「ゲルベゾルテ」)/音楽を聞くより、人間がしゃべっている声を聞き流すように耳に入れていたほうが、かえってラクだと、最近の隆一は思うようになっている。(「ラジオ」)。/独特の味わいだなあ。フィリピンからやってきたボクサーの屈折。都心のマンションにつどうバスケサークルのメンバーたちの距離感。ファッションマッサージ店長にして、トライアスロンに挑むというところにどこかバランスと可笑し味をかんじる男。甘えきった考えで実家の土地を売りたい男とアーチェリーと実家の事故と女。つねに片耳でラジオをききながら人と話す男。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2014年3月5日
読了日 : 2014年4月20日
本棚登録日 : 2014年3月5日

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