最澄と空海 日本仏教思想の誕生 (講談社選書メチエ)

  • 講談社 (1998年12月1日発売)
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おかざき真里「阿・吽」つながりで。/最澄は、その後の生涯でもわかるように、反体制的な野人ではない。伝統の重み、国家権力の強さなどに反発し続けたわけではない。p.73 奈良仏教に対する批判勢力として台頭する天台仏教もまた、国家の庇護のもとに生まれたのであった。p.76 最澄の僧のイメージは、一〇名もの僧によって大寺院の戒壇院で具足戒を受け、その戒を守ることにほとんどのエネルギーを費やす比丘ではなかった。心がまえ一つで山林を修行する者が彼の理想とする「僧」であった。p.92/空海は、「大日経」や「金剛頂経」にもとづく、確立された仏教密教を日本に導入したのである。p.168/空海は唐に渡る前から、二〇年も滞在する気はなかったのではないか。(略)というのは、空海はおそくとも唐に渡った二年目には多数の書籍などを買い求めているからだ。(略)もっとも、二〇年を経て空海が帰っていたならば、彼は日本では何もできなかったであろう。それを空海は知っていた。 p.173  「即身成仏義」は、彼の思想をもっとも簡潔に、しかも体系的に述べている書の一つである。p.210 空海の思想の核心は、世界がマンダラであり、かつ仏の身体であるということだ。p.256 /最澄は「現象世界は真実の相を示している」ととらえ、空海は「世界はマンダラというすがた(相)をとり、かつそれは仏の身体である」と考えた。p.262

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2015年12月29日
読了日 : 2016年2月13日
本棚登録日 : 2015年12月29日

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