ユリイカ 2016年8月号 特集=あたらしい短歌、ここにあります

  • 青土社 (2016年7月27日発売)
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本棚登録 : 90
感想 : 4

どうしても歌に読み手の人生を重ねてしまおうとする、しぶとい私性とのつながり。あえて正面から、鳥居さんのように、人生を扱ったルポと歌集を同時発売するという試み。定型に押し込めようとする力と軽やかに逃れる破調、そこからの、何をもって短歌とするのかという問い。様々な制約をすり抜けて、あらゆる時と人に語りかけようとする試み。楽しそうな歌会を紹介する一節。富豪短歌、ってどうかな、という穂村さんのつぶやき。わからなくてかっこいいと思った吉増剛造「燃える」を語る最果さん。興味深いトピックス多数で楽しめた。そして、気になった短歌を幾つか。穂村さんの、共感ではなく、驚異(wonder)をという言葉にも導かれつつ。「愛して」という感情は私の大事な焚き火です。きみを燃やすつもりはなかった。(最果タヒ)八月を 君にゆっくり届きたい俺に 宇宙がよこす各停(雪舟えま)手紙よ、と手紙でつつかれて起きる 諸島が一つにまとまるように (雪舟えま)傷ついたことを忘れるようにして生きるのを 逃げると同じと感じるのはなぜ(雨宮まみ)気に入りのパンティ脱いで鍋奉行 ちょっとそれは具ではないわよ(木下古栗)夜中突然正気に戻るごめんなさい私もう無理何もかも愛してるけどもう本当は(ルネッサンス吉田)それはなお続くはるさめ 銀河まで寄ろうそのあと嘘をゆるそう (山中千瀬)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2016年12月23日
読了日 : 2016年12月18日
本棚登録日 : 2016年12月23日

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