ゲンロン3 脱戦後日本美術

制作 : 東浩紀  キム・ソンジョン  黒瀬陽平  パク・チャンキョン  会田誠  安藤礼二  椹木野衣  新藤淳  土屋誠一  稲賀繁美  ハンス・ベルティング  ジョン・クラーク  クレイグ・オーウェンス  パク・カブン  井出明  市川真人  安天  辻田真佐憲  西田亮介  上田洋子  福冨渉  海猫沢めろん 
  • 株式会社ゲンロン (2016年7月29日発売)
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感想 : 3

馬定延さんのsiafのイベントでのアーティスト・トークで、三原聡一郎さんの「土の日記」という作品に触れられ、そこから、リアルDMZプロジェクトに興味を持ち、キム・ソンジョンさんの「博物館から庭へ-リアルDMZプロジェクトの哲学」「国際性と地域性の並行関係ーリアルDMZプロジェクト」にたどり着き、読了。DMZに着目したイベント、というのが異色で着眼点が鋭く、興味が惹かれた。自然環境をどうやってプロジェクトの中に生かしていくか。様々な場所から植物を引き抜いて並べる、歴史的な「庭」ではなく、新しい「庭」の概念を提示したい。DMZの「過去性」を強調するとモニュメントの制作に陥り忘却に寄与する。「現在性」を強調すると北朝鮮の脅威を煽る政府のイデオロギーに近づく、という罠を乗り越える必要。日本の美術会は、東日本大震災以前は、総じて内面的な美意識の追求が強いように思ったが、以後は政治的社会的な問題に関心を持ち、考える作家が増えたといった指摘。ナム・ジュン・パイクが提示したネットワーク作りの重要性、韓国の美術家を世界に繋げる機会を提供したこと。地域ごとのビエンナーレは、潤沢な予算を得て展覧会をするよりは、特定のテーマを扱い、長期的に調査と制作を行うことが良いのでは、という提案。プロジェクトは、武装された「非武装地帯」と言う皮肉に向けられたもので、DMZの現実の非武装化や平和に関する議論を促し、韓国と北朝鮮の交流推進を模索している、という思想。といったあたりが興味深かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2019年2月23日
読了日 : 2019年2月20日
本棚登録日 : 2019年2月12日

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