ハッピーエンドです。力技ですが、うまいことおさまっています。このまま離れ離れ、ふとした瞬間に相手を想う…というラストもあり得るかなと想像したのですが、ちゃんと幸せになれて良かった。
この作品は第三者視点ではなく、登場人物それぞれの視点からなる物語です。わりと頻繁に視点が変わります。主人公のカナメはもちろん、カナメの騎士ルース、異世界人とのハーフであるサイ、侵略国の女王、騎士団長、傭兵のリーダーなどなど…。みんな個性豊かで、それぞれの立場からの視点や思惑が面白い。読み手がすべてを把握しているからこそ、次の展開がどうなるのかワクワクしました。
このまま進むと思った時、『未来の概念』が出てきて焦りましたねぇ。そういう存在が干渉してこうなったとは思っていましたが、ラスト近くに出現するとは。カナメとルースがいじらしくて涙が出ました。でもこの存在があればこそのラストでしたね。
しかし長かった。行間スカスカの作品なら2時間もあれば読めるのですが、これは3日かかりました。もう少し短くすることもできるのでしょうがこれはこのままで良いと思います。冗長なところがなく、全てのエピソードが必要だと感じました。お陰で3日間どっぷり浸れましたよ。壮大なファンタジーです。欲を言えばもう少しラブエピソードを盛って欲しかった。エロではなくラブを。
この作者の今後に期待します。
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- 感想投稿日 : 2019年5月5日
- 本棚登録日 : 2019年5月4日
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