タイトルに惹かれて読んだ初の田山花袋作品。
電車での通勤時間に少女を盗み見ることを日々の楽しみとしたり、
近くの立つ女性の髪の匂いを嗅いでみたり、
気になる女性のあとをつけて家を確認してみたり、
若い頃にもっと肉欲に溺れていれば良かったと思っている、
そんな男の欲望に忠実な主人公。
しかし、若い女性をそういう目線で追っていながら、
性欲としての対象ではなさそうなのが、また不思議なところ。
しかもそのうえ妻子持ちでもあると。
同じく男としては、ある部分共感できてしまったりもして、
読んでいて自虐的な気分になることも…。
女優やアイドルをかわいい! と愛でてるのも、
この主人公と何ら変わらない気がして…。
そして迎える衝撃の結末。
ある意味、笑劇でもあり。
この物語にどんな結末をつけるのかと思っていたのだが。
「吾輩は猫である」と同じと言えるね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月23日
- 読了日 : 2013年3月23日
- 本棚登録日 : 2013年3月23日
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