相模原障害者殺傷事件 (文庫)

  • 朝日新聞出版 (2020年7月7日発売)
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感想 : 23
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本書は2016年に相模原市で起きた殺傷事件を扱う。書き手は朝日新聞の記者ら。

被告を悪者にするだけなら、あるいは綺麗事だけ述べて現場が改善されないのなら、意味がないと思う。類似の事件の再発は防げない。

被告は「楽しそうな人生を送れば、事件は起こさなかった」と語った。

自分が障害者施設で働いたら、どのような想いを持つだろうか。被告と似通った思想が誘発されないとも断定できない。それが差別感情、優生思想の恐ろしいところだと思う。

本書の中で「被告が否定したのは人間の、頼り頼られて生きるという性質」という文章が登場する。これは社会学者である最首悟さんの言葉。

人間の、頼り頼られて生きるという性質

この言葉に出会えて良かったと思う。この1文に真理が凝集されている。この原則だけは、破ってはいけない。そのように自分の胸に刻みつけた。この言葉こそ、優生思想的な昨今の事件へのアンサーだと思う。

(書評の全文については、書評ブログの方からどうぞ)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E9%A0%BC%E3%82%8A%E9%A0%BC%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8F_%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E5%8E%9F%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6_%E6%9C%9D

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2020年8月27日
読了日 : 2020年8月27日
本棚登録日 : 2020年7月25日

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