あれ、こんなくどい文章書く人だったか……?
『夏空に、きみと見た夢』を読んだときは素敵な文章だと思ったものだが。
当時は読書を始めて間もない頃だったせいか。
今読むと感想が変わってしまうかもしれない。
有川浩も甘すぎて読めなくなってしまったみたいだし。
本作は白雪姫のような定番ストーリーで、吐かれるセリフや文章は過剰に甘く、ロマンチックを狙いすぎて不自然な会話が繰り広げられる。
元々少女向けの小説を書いている作家のようだが、少女漫画というか、ハーレクインはちょっと違うか、とにかくそういう傾向がみられる。
ロマンチックな恋愛に憧れた女性が、同じような女性のために書いた小説。
まあ、それは好みなので構わないのだが、甘い展開にするのならば200ページでは少ない感じがした。
段階を経ずに急に甘い展開になると余計についていけない。
登場人物たちは専門学校生で、自分たちの悩みを大人になったが故のものと捉えているが、第三者から見ると子供のそれでしかなく、いささか滑稽に映る。
男女の肉体関係に関する話には神経質になりながらも、好きでもない男に無理やりされたキスはたいして気にしないなどのブレも気になる。
『夏空に、きみと見た夢』と本作を含めて、飯田雪子の著作には季節になぞらえた4作品があるようだが、残りは読まなくていいかな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月7日
- 読了日 : 2017年5月31日
- 本棚登録日 : 2020年10月7日
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