「ななつ星」を手がけたデザイナーの、仕事哲学をまとめた一冊。斬新なデザインは、時にクライアントと激しくぶつかり合いながら生まれる。そうまでして彼が追い求める、「顧客のために」という信念とは。
-----
<デザインを深く知りたい向け>
デザインは手段であって、目的ではない、という想いが伝わってきた。筆者の言う「顧客」、お年寄りや子どもが心から楽しめる鉄道とはどういうものか、というビジョンが先にあって、それを形づくるためにデザインがあるのだと。「見栄えの良さ」「流行の形」など、小手先のテクニックではなく、「誰に何を伝えたいか」という想いありき。
たしかにデザインの本ではあるのだけれど、「仕事とは何か」ということが書かれている。どんな職種であっても、プロフェッショナルとして突き詰めていくと、結局皆同じような境地にたどり着くのだろうと思わされた。
「人間は理想しかないです」という一節が素晴らしかった。長い仕事人生の中で、その想いを持ち続けられることが。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
クリエイティブ
- 感想投稿日 : 2015年8月11日
- 読了日 : 2015年8月11日
- 本棚登録日 : 2015年8月11日
みんなの感想をみる