ちょっと仕掛けが甘い印象。
せっかく意味深な感じで物語に挟み込まれた、「出て行った侃の父親の蔵書の並び順」、章の前に挟まれる試合シーンや絵葉書、そういったものたちが物語に占める意味など、もう少し効果的に使うか、いっそのこと無くても良かったのじゃないかと感じました。
大人たちの良い言葉も、効果があまり感じられず…。
お話のほうも、貴之からテニスを奪う必然性があまり感じられなかった事、ラストの試合描写が拙かった事、侃と貴之の再会の肩すかし感等々、終わりに向かうにつれて、盛り上がっていた興奮がしぼんでしまいました。
やっぱり一番は、侃の成長を描くのに貴之の哀しい挫折が必要だったのか疑問に感じるところ。そこがモヤモヤの原因です。
侃と貴之のキャラと関係性、1章の学生生活部分が楽しくて好きだっただけに残念でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
か行
- 感想投稿日 : 2016年11月10日
- 読了日 : 2014年11月16日
- 本棚登録日 : 2014年11月16日
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