キッチン (角川文庫)

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本棚登録 : 13798
レビュー : 1589
著者 :
めこさん  未設定  読み終わった 

生きることと愛すること,食べることと,失うこと.

初めて読んだのは高校一年生の時,学校の推薦図書に指定されていたからだった気がする.その時もすっかり気に入ってしまって,最初は図書室で借りていたけれども,すぐ本屋さんに走った.大学生になって塾講師のアルバイトをしていたとき,たくさんの生徒に読んでもらいたくて塾に寄贈した.
そして最近,もう一度買うか迷って,電子書籍を買った.ハイライトが引けるのはいいものですよね.便利な時代になったもんだ.

こうやって振り返ると,やっぱりこの本は私の原点というか,根幹に近いものなんだなあとすごく思う.こんなに長い年月を経て,繰り返し読む本は,この本以外には存在しない.だいたいのストーリーはもう頭に入っているのに,それでもこの本を開くのは,この文体に込められた空気を,とても愛おしく思うからだと思う.

幸い親戚もまだ皆元気だし,近しい友人や恋人を亡くした経験は私にはないけれど.だからこの本の真価が分かるのも,当分先なのかもしれない.それでも,みかげの考え方ひいては著者の感受性がとても好きだ.みかげや雄一の誠実さ,こんなに人間臭いのに空虚なところが,相手のことを考えて突発的に行動してしまうところも,本当に大好きだ.

好きな本は?と聞かれたとき,すぐにこの本が浮かぶけれども,いざ説明しようとするとどうしてもうまく伝えることが出来ない.
文体が好き?雰囲気が好き?空気が好き?ってなんなんだよってなる.
でも空気を見つめることが出来ないように,私はこの本への愛をもしや一生,言い表すことが出来ないのかもしれない.

レビュー投稿日
2018年6月1日
読了日
2014年6月7日
本棚登録日
2014年3月18日
5
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