瑠璃が自身を喪失してしまう話である。主役不在から展開する物語としては、収束するはずの終盤がちょっとわやになってしまった感は否めない。バトルもごちゃごちゃしちゃったし。
高いレベルで描いていると思うのだけど、ストーリー展開上、持ち味である瑠璃との掛け合いが激減した点も、一冊として見ると不味い点だっただろう。
店仕舞いのために仕方なかったかな、とも思うけど。残念ではあった。
足早な終わりに、四巻での完結。これはまあ、ライトノベルの業界ではよくあることで、語るべきことはないだろうが、とりあえずお疲れさまと記しておきたい。
新人とは思えないくらいしっかりとした描き方で、この巻でもたとえば主人公の野球ネタを忘れないような、キャラを立たせる丁寧さは好ましかった。
シリーズとして想定されていなかったのもあるのだろうが、大きな意味でストーリーラインがなかったのは痛かったかな。バトル物なのだし、強力な敵勢力がいればまた違った気もする。次の作品では、その辺に期待したい。
キャラは良かったし、掛け合いも楽しかった。お笑いをテーマに取ったアイディアもすこぶる良かったのだから、本当に次作に期待しているよ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドナドナ
- 感想投稿日 : 2013年11月26日
- 読了日 : 2013年11月26日
- 本棚登録日 : 2013年11月25日
みんなの感想をみる