clamamusさんの感想・レビュー

今日もかるく絶望しています。 落ち込みがちガールの日常コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

著者 : 伊東素晴

• KADOKAWA/メディアファクトリー (2014年1月17日発売)

　少し物事に感じやすいネガティブな女の子を描いたコミックエッセイである。この手の作品は自伝的な内容がほとんどだと思うのだけど、後書きを読むかぎりは、必ずしも著者＝ひーちゃん（主人公）ではないことがうかがわれる。
　とはいえ、著者自身が持っている実感をベースにしているのは間違いないだろう。もう本当によくわかることが多くて、その切れ味はところどころでかなりの鋭さを見せる。この点は優れた点だろう。
　また、主人公の感覚はネットとの相性が非常に良い。この子がネットに引きこもらずに生きていけたのは、やはり人に恵まれたからだろうと、架空の話ではあるが少し考えさせられた。人間関係がわずらわしく感じられることも往々にしてあるものだが、やはり人は人にしか救ってもらえない。

　想定した以上に質が高く、面白かった。一冊としてのまとまりも綺麗である。星五つと評価した。

感想投稿日 : 2015年7月26日

読了日 : 2015年7月26日

本棚登録日 : 2015年7月26日