センス・オブ・ワンダー

  • 新潮社 (1996年7月29日発売)
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人間の知覚のなかでは、記憶・認識のなかでは、すべてのものは止まっている。情報は、この性質をよく反映している。しかし、この世の何一つとして動きの途中でないものはなく、あらゆるものの影響を受け、影響を与えている途上にないものはない。

小さな子供が何かを初めて目にしたときのように、口を開け目を見開いて、そこで起こる一部始終を見届けることをやめた日から、私たちは現実から離れはじめる。蓄えた情報に寄りかからないこと。絶えず刮目させてくれる「自然」や「不思議」に心を開き、共に歩むこと。
これを失えば、加齢は魂の老化、認識は都合の良い思い込み、人生は孤独への一本道となる。

「センスオブワンダー」は絶えずそんな危機を生きる人間に、みずみずしい命を吹き込んでくれる大切な回路なのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年11月26日
読了日 : 2016年11月20日
本棚登録日 : 2016年11月20日

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