ブラック・スワン [Blu-ray]

監督 : ダーレン・アロノフスキー 
出演 : ナタリー・ポートマン  ヴァンサン・カッセル  ミラ・クニス  バーバラ・ハーシー  ウィノナ・ライダー 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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本棚登録 : 121
感想 : 15
4

/§**/ 「白鳥」と「黒鳥」の狭間で… \**§\






 これは、ある意味、母親のインプリンティングが招いた悲劇と感じた。

 母親が自分の果たせなかった夢を娘に託さんと、毎夜母親の手で巻かれるオルゴールの螺子が娘の心を呪縛していく。

 オルゴールの曲である「白鳥の湖」が、どことなく歪んで聴こえてきたのは、私の耳の錯覚だろうか?


 オムニバス形式の名作に「世にも怪奇な物語」がある。
その第2話目に「影を殺した男」というアラン・ドロン、ブリジッド・バルドーが主演した作品があったが…

 私はこれと重なってくるものを感じた。
「白鳥」の部分も「自分」なら、「黒鳥」もまた人は誰もが「自分」の中に棲ませているような気がしてならなのなのだ。
《静と動》、《貞節と姦淫》、《善と悪》…


 2本の細い脚のトゥシューズの運びとポートマンの痩身が傷ましいほどに、見事な葛藤の舞を見せてくれる。

 
 一部のバレエの専門家諸氏の皆さま方からは、
本作でのポートマンのバレエ演技に対し不評の声(これでバレエが踊れているつもりなのか?的な…)が浴びせられていたようだが。
本作に在ってはじゅうぶんそのスキル(技)を発揮し得ていると思えた。



 本作を深夜にヘッホンで観賞してみたところ、
彼女の《息遣いの変化》が実に見事で驚かされた。

 大役を仰せつかった当初の彼女は常にどこか怯えていて、踊っている際の息遣いにも《怯え・不安感》がうかがえるのだ。

 ■しかし、黒鳥の描写を体得できた辺りから、息遣いが一変する!!■

*明らかに自己陶酔の域(息)に達しているのが分かる*




 アロノフスキー監督が本作を製作するに際し、母親役のバーバラ・ハーシーとポートマンの相互間で《手紙のやり取りをしなさい》と命じたと洩れ聞いた。


 ★やはりこの物語の下敷きとして、それだけ《母と娘の繋がり》が求められていたのではないかという気がする★



 〝子役で称賛された者は大成しない〟のジンクスを、
今後もどんどん破っていってほしい!
私はポートマンにそれを願い続けている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2014年10月10日
読了日 : 2014年10月10日
本棚登録日 : 2014年10月10日

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