東京の街を歩くと、街路樹が切り詰められて木蔭も無く、何のための木かと思うことがあるが、道路構造令の規制、発注者が土木職で植物に詳しくない、安かろう悪かろうな入札価格、落ち葉を嫌う近隣住民等々の複合要因らしい。東京は、震災復興の成熟都市化のチャンスを、戦争と戦後の急激な経済成長でフイにし、その前も後も今に至るまで成熟都市になり損ねているらしく、要するに「生活の場としての都市の質の向上」が評価されにくいのだと思うが、本書は街路樹の心理的効果を視線や心拍数で可視化して面白かった。
読書状況:読み終わった
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牧野弥生
- 感想投稿日 : 2019年6月6日
- 読了日 : 2019年6月6日
- 本棚登録日 : 2019年6月6日
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