ルーマニアの老大作家のもとへ息子とその婚約者を名乗るあやしげな男女があらわれ、彼を独創的な演出家との出会いに導く。老大作家は演出家の演劇理論に魅せられ、自分の名を貸してまで彼の理論の紹介につとめようとするが、演出家は実はナンバー2の関係者であり、老大作家はナンバー2とナンバー3の権力闘争に巻き込まれて行方不明になる。・・・と読めば興味深いのだが、スペクタクルや絶対的自由のパートとの断絶ぶりを見る限り、著者にはスペクタクルや絶対的自由を必要とせざるを得ない状況を描き込んで主題に説得力を持たせる意図はないのであろう。
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2009年2月21日
- 読了日 : 2006年11月5日
- 本棚登録日 : 2009年2月21日
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