乙女の美術史 世界編 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2017年7月25日発売)
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感想 : 8
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西洋美術を古代〜近代にかけて、その美術のテーマの変遷、時代ごとの代表画家などを紹介。恋愛や肉体礼賛の歴史、など、美術における性やスキャンダル、裏話などに重きを置いて描かれている。

画家は、ミュシャ、フラゴナール、ミレイ、ルノワール、マリーローラン、など、女性をテーマに描いた人物が多め。

気になった画家は、ルネサンス初期のピサネロという画家。ダヴィンチやミケランジェロの時代の画家のようだが知らなかった。儚さや優しさを表現したという。もっと作品も見てよう。

あと、実は人見知りだったという王妃マリーアントワネットの唯一の友人だったと言う女流画家ルブラン。

エピソードで気になったのは、ルノワールとワーグナーの話。
ルノワールはワーグナー好きで、懇願してようやく面会し、肖像画を描くものの、その出来は本人にも思わしくなかったようでワーグナーも味気ないコメントを一言残したのみだったという。
(印象派の時代は、みなワーグナーが好きだったという。)

エピソードを一部漫画にしたり、週刊誌の記事風にしたり、参考写真をふんだんに載せていたり、強調したい部分は太字にしたりと、見やすくしている工夫を感じた。

ただ、時折行き過ぎた表現があり、作品に対して愛のない言葉も散見された。
特にモネの積みわらの連作をぶっちゃけ退屈と書いているのには、モネファンとしては不快でしたね…。

もう少し作品自体の記述は大切に書いて欲しかったかなと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年3月19日
読了日 : 2022年3月19日
本棚登録日 : 2022年3月19日

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