誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2010年12月17日発売)
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本棚登録 : 1079
感想 : 108

文は上手いか下手か、ではなく「人を動かすか否か」。そこにポイントがある。
齋藤孝さんの本は、ビジネス本や自己啓発本はあまり読まない私でも、すんなり読める。
理由は3つある。まずはタイトルが明確で内容が上手く要約されていること。内容が押し付けがましくないところ(偉ぶられると途端に読みたくなくなる。)そして、上手く有名人や作家の引用や出典などを要所要所に入れ、「お得感」があるとこ。
今回の本も文章を書く上での、巧みな引用・出典術を説いている。確かに、今回に限らず、齋藤孝さんの本は必ずと言って良い程、引用・出典を使っている。著者の幅広い知識がうかがえる。ルソーやゴーギャンなどの画家、ドストエフスキーや村上春樹などの作家、ニーチェなどの哲学家・・・などなど。哲学書を読まなくても、さりげなく文章に取り入れてくれることで、私も勉強した気になってお得な気分になれる。
さっそく、著者の教えに倣って、今回の本の引用をしたいと思う。
「キラリと光る文章に出会うと、砂丘で砂金を見つけたようなもので、『これで儲けた!』と感じることができます。」
私は大分前から、齋藤孝さんの提唱する「濃淡読み」をしている。つまり、本は全てを読む必要はない。必要な部分だけ読んで、それ以外は飛ばす。何故なら、他に読むべき本がたくさんあるから、という定義。
それを、「砂丘と砂金」に例えるなんて。素敵過ぎる。例えもさすが上手い。
何か一冊、しっかり書いてみたくなるような本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年8月15日
読了日 : 2013年8月15日
本棚登録日 : 2013年8月15日

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