高クオリティの社会派ミステリ。

 社会派っての、今は死語ですかね。主人公は新聞記者、世間を騒がせる連続殺人犯と、紙面上で言論対決をする、っていうあらすじだけみたらぶっとび系のサイコミステリっぽかったんだけど、がっつり社会派(個人的感覚だけど)でした。屍人荘と争ったってだけある。読者としての好みは正直屍人荘のほうが好きです。この話はリアル過ぎる。折角フィクションを読むんだから、探偵が出てくるとか、非現実味がほしい。現実っぽい話だったら、小説じゃなくてノンフィクションルポとか読むよって思うから。まあそれは個人の好みの問題で、それはそれとして、この話はおもしろかったです。
 文章力が高いのもね、あった。読みやすかった。連続殺人犯がご高説垂れてる部分も面白かったし、好きな部分も多かった。ラストもうひとひねりほしいなぁ、って思いながら読み進めてたら、手紙のラストにきっちりオチがつけてあって、待ってました、ってなりましたね。陽一郎くんの人生が幸せなものであればいいなぁ。ただでもうん、いくら家族でもひとの日記は勝手に見ちゃいかんよ。
 一個引っかかったのが、主人公と保母さんの間に子どもができちゃってたこと、どこか描写してあった? 読み飛ばしてただけかな。いや、この主人公、自分に子どもができてたこと知らなかったのでは、って最後まで思ってて、最後の最後で、知ってたんかい! ってなったからさ。せめてこう、金を用意する必要があったっていう下りとか、遺体が見つかったときにおなかの子供のことを心配する下りとかがほしかったなぁって。
 抜粋、連続殺人犯のご高説より。


 理由があるはずだ――新聞は、いつでもそうやって物事を定義し、解釈する。すべてを理由づけして、世の中はこうだと決めつける。理由がないことを許さない。


 どうせその理由も自分(たち)が納得するための理由だもんなぁ。

2019年8月13日

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読書状況 読み終わった [2019年8月13日]

 刀を帯びた金髪碧眼の戦士。

 中二病を詰め込んだみたいなキャラクタだな、って帯の文句を見て思いました。Wシリーズ続編。WWシリーズっていうらしい。世界大戦になっちゃわない? 大丈夫?
 名前は違ってるけどとりあえず、前作のハギリ博士とウグイさんがちゃんとくっついているので満足です。
 今回は森にしては気に入った部分が、付箋はってる箇所が少なかったなぁ。森にしては物語が進んでるなぁって思ったから、そのあたりは反比例するのかもしれない。
 読み終わってタイトルの「一人」って「孤独」って意味じゃなくて、本当に数としてカウントして「ひとり」って意味だったんだなぁって思ったけど、英題が「Still Does Demian Have Only One Brain?」だから、そりゃそうだよなって。ちゃんと英題も確認してから読む癖をつけます。

2019年8月6日

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読書状況 読み終わった [2019年8月6日]
カテゴリ その他エンタメ

 個別の具体的な事例が多く載ってたような気も。

2019年7月13日

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読書状況 読み終わった [2019年7月13日]
カテゴリ 資料

 タイトルが秀逸。

 どういう意味で『異邦人』というタイトルなのか、正しく分からないけど、読んだ感触から「世間一般から外れている」「他人に理解されない思考をしている」という意味かなと受け取りました。とても好きですね、その感覚。
 いや、先に『ペスト』のほう読んじゃってたから、これ読むのきついだろうなぁって思いながら開いて、思ってた以上に文字がでかくて読みやすかったです。文章の意味は相変わらず理解できなかったけど。
 検事の思考が非論理的で苦手だなぁ。ママンの通夜で泣かなかったこととひとを殺したことに何の関係があるってのよ。全然関係ないじゃん。
 最後、司祭にブチ切れるシーン、言ってることは半分も分からなかったけどすんごい好き。
 いや、検事や弁護士は主人公が被害者を追撃した理由を知りたがってたけど、これ、まじで理由ないやつやで。

2019年7月1日

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読書状況 読み終わった [2019年7月1日]
カテゴリ 古典/海外

 タイトルのインパクト。

 ……のみ、だったかなっていうな。タイトル買い。いやだって買うじゃん、このタイトル……。
 昔話とミステリを混ぜちゃったやつ。なに、最近昔話がモテる時期なの? どこかのSFでも昔話と何かを混ぜてたけど。
 昔話の主人公が結構下衆でそこは好きです。ただミステリとしてはうん、まあね。出版社は双葉社。創元や講談社レベルじゃあないよねっていう。なんかこう、イメージ的にあるじゃん、どれだけミステリミステリしてるかっていう。
 がっつりミステリ読むぜ、ってひとには勧めないかな。まあミステリも読むよ、ってひとくらいなら。
 「花咲か死者伝言」とか伏線の盛り込みが雑すぎるでしょ。あと各題の語呂が悪くないですかね。
「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の五話。鬼ヶ島に今までの宝が絡んでくるのは面白かったけど、龍宮城だけ絡んでなくない? 読み飛ばした? やるなら全部絡めようよ。中途半端すぎません?
 ストーリィ自体も嫌いじゃないけどね、鬼ヶ島。ただ犯人が犯行に至る動機が弱すぎる。親父の遺言、真面目な性格だけでそこまで走りますかね。走らせるならもうちょっと強めに狂気性が見えるレベルだっていう伏線を盛り込んでおいて欲しかったよ。
 龍宮城のやつ、わかしの顛末とか、浦島さんの最後とかも好き。要所要所好きな部分はあるかなって感じでした。

2019年6月9日

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読書状況 読み終わった [2019年6月9日]

 なんかえらい表現が文学的。物語を読んでる気分でした。だからこそ逆に、どこまで事実でどこから想像なのか分からなかった。カミュの『ペスト』は19世紀の流行のときの物語なんだね。もうちょい前だと思ってたわ。

2019年6月5日

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読書状況 読み終わった [2019年6月5日]
カテゴリ 資料

 裏表紙見て「好き!」ってなった人は買ったほうが良い。

 パラドックスがいっぱい。
 合理性、曖昧性、自己言及、確率、宇宙、物理、無限の7章。宇宙、物理あたり以外は大体知ってる感じ。知ってても理解できてないから、何度読んでもいいよ。大判で図解してあるから分かりやすい、かな? どうだろう。ぶっちゃけ、図をあまり見なかった。入門編。でもまとめてある本欲しかったのでちょうどいい感じ。
 モンティ・ホールってたぶん最近何かのSF小説で読んだ。「トランスヒューマンガンマ線バースト童話集」だったかな? ドアの向こうにヤギがいた覚えがある。
 宇宙、物理あたりは難しいね。相対性理論の双子のパラドックスさ、宇宙船に乗った兄のほうが時間の進みが遅い、っていうの。同じ機械を使って時間を観測した場合は、宇宙船のほうが時間の進みが遅い、ってだけで、兄の肉体が老いる速度は変わらないのでは? もし老いる速度が遅くなるのだとすれば時間の進みが遅いからっていうんじゃなくて、重力がどうだとか、そういう影響なのでは? いやでもむしろ老いる速度が遅いからこそ時間が遅くなっている、と表現できるってことか? 時間ってなんだ。

2019年5月29日

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読書状況 読み終わった [2019年5月29日]
カテゴリ 学術系

 人は何故山に登るのか。

 人は何故生きるのか。
 すごかった。すっごかった。言葉が出ない。
 作品としては1997年のもので、作中のエヴェレスト登攀歴も最新のものじゃないと思うんだよね。調べれば分かるだろうけど。いかに8000m級の山ってのが狂った場所かっていう。6500mがぎりぎりだって書いてあったかな。高度順応をいくらしても、それ以上はいるだけで体力が削られるって。
 マロリーが登頂したのかしてないのかはやっぱり分からないままなんだね。そのマロリーのカメラがネパールの登山道具屋で売られているのを、たまたま見つけた日本人カメラマンが主人公。山に登ることしかない山屋の話。
 羽生のことはまあ好きにはなれいないけどなぁ。別に好かれるための登場人物でもないからいいんだろう。
 作中の山屋たちが覚えていただろう「ひりひりした感覚」を疑似的にでも味わえたような気がしました。すごかった。
 ナラダールとアン・ツェリンが好きです。
 抜粋。アン・ツェリンの言葉。


「誰であろうと、自分の人生を生きる権利がある」

2019年5月26日

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読書状況 読み終わった [2019年5月26日]
カテゴリ その他エンタメ

 最終巻。

 六巻までに入れられなかった短編集と短い初期作品集と、夢の内容をつづった書簡と途中で終わってる断片。どれも短いのでちまちまと。一番クトゥルフ感は薄かったかなぁ。「恐ろしい老人」と「霧の高みの不思議な家」はクトゥルフ。
 「霊廟」と初期作品集のなかの「洞窟の獣」「通り」が面白かったです。

2019年5月20日

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読書状況 読み終わった [2019年5月20日]
カテゴリ 古典/海外

 やく二年半ぶりの森博嗣。「スカイ・クロラ」に装丁が似てると思えば、中央公論新社で続編ではないけど、同じシリーズ(あるいは意識したシリーズ)であることは確か。読んだことないひとには分からないたとえだけど、「スカイ・クロラ」武士道版。戦闘機が刀になっただけ。いや、だけ、ってほどでもないんだけど。
 ただでも、普段まったくもってそんなつもりはなくても、日本人として生きているならやっぱりどこかしら持ってるような精神を普通に持ち合わせている人なら、たぶん「スカイ・クロラ」よりは読み進めやすいと思う。
 山奥で暮らしていた若者が、師を失って旅に出る話。出会った先の人たちを会話をして、刀を合わせて、そして何か掴んだ気になりながら、結局何も掴んでないような、ただ歩いているだけのような、そんなお話。
 考え方が面白いというより、武士道や禅の世界、「空」を森が展開したらこうなるのか、と。森色全開。淡々と平坦。無味無色。美味しくもないし不味くもない。
 タイトル「The Void Shaper」どう訳したらいいのか。「空なるもの」とか?
 これが続編を出すようであれば迷わず買う程度には(つまりかなり)面白かったし気に入りました。ただたぶん、「スカイ・クロラ」と同じで一作目が一番面白い。
 抜粋。
「負けるたびに強くなれる。だが、負けたらそれでお終いだ」

11.06.02

2019年5月19日

読書状況 読み終わった [2019年5月19日]
カテゴリ その他エンタメ

 薔薇の眠りを越え、いざ窮極の門へと至らん。

 やっと銀の鍵の元ネタまで来ました。ランドルフ・カーターが登場する話をまとめてある一冊。FGOのアビーちゃんは、ランドルフの持ってた銀の鍵がひとの形をとったもの、って認識でいいんすかね。
 「白い帆船」「ウルタールの猫」「蕃審」「セレファイス」「ランドルフ・カーターの陳述」「名状しがたいもの」「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」「未知なるカダスを夢に求めて」の九作。銀の門の鍵が中編、カダスが長編で、あとは短いです。ぽつぽつ世界が繋がってる感じ。
 ラヴクラフトが猫好きってのはどこかの解説に書いてあったけど、ほんとに好きなんだね。猫最強じゃん。思わず膝の上にいる黒猫なでなでしながら読んじゃうじゃん。
 カダスがなんかほかのと違った感じで、きちんと冒険してるなぁ、と。まあ夢の国の話だけど。クラネス王が目覚めることができなかったのは、戻る身体がもうなかったからだけど、ランドルフには残ってたってことか。食屍鬼さんとか夜鬼さんたちがどうなったのか気になります。見た目があれなだけで、あの子らが死んじゃうのはかわいそうだなぁ。あと、最後、ニャルさま何しに現れたのか、いまいちよくわかんなかったです。ニャルさまが言ってたことは事実なの? 地球の神々を連れ戻してもニャルさまとしては問題なかったのかな。カーターを罠にかけようと道を教えて、教えた先に困難を用意したけど、カーターがそれを乗り越えてしまったから、ラスト神々に八つ当たりしたってことですかね。それとも普通にカダスを留守にしてた神様たちを怒ったの?
 抜粋。「未知なるカダスを夢に求めて」より。


「ヘイ、アア=シャンタ、ナイグ。旅立つがよい。地球の神々を未知なるカダスの住処におくりかえし、二度とふたたび千なる異形のわれに出会わぬことを宇宙に祈るがよい。さらばだ、ランドルフ・カーター。このことは忘れるでないぞ。われこそは這い寄る混沌、ナイアルラトホテップなれば」


 「ヘイ、アア=シャンタ、ナイグ」の意味が分からない。

2019年5月8日

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読書状況 読み終わった [2019年5月8日]
カテゴリ 古典/海外

 いあ! しゅぶ=にぐらす!

 シュブ=ニグラスって何だろうって思ってたら、一切説明はないけど神様の名前だったみたいです。「イア」のあとに続いてるからそうなるよな。
 「神殿」「ナイアルラトホテップ」「魔犬」「魔宴」「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」「レッド・フックの恐怖」「魔女の家の夢」「ダニッチの怪」の八編。クトゥルフに関係ありそうなのは「ナイアルラトホテップ」「魔宴」「魔女の家の夢」「ダニッチの怪」あたりかな。いまだにナイアルラトホテップを間違えずに言える自信がない。あと今更気づいたけど、一巻で「インスマウス」表記だったのに、この巻だと「インスマス」になってるんだよね。たぶんインスマスのほうが一般的に使われてる表記だと思う。ほかの巻ではどうだったかなぁ。
 ラストに強烈なオチがあって、っていう話はなかったかなぁ。終わり方としては「魔犬」とか好きです。物語としては「神殿」も結構好き。ドイツ人めんどくせーなって思いました。こういうイメージを持たれてたんだろうね。
 「ダニッチの怪」も面白かった。ウェイトリィって見たことある字面だなぁって思ったら、FGOで出てきたやつだね。ラヴィニアちゃん。元ネタを読めて満足。あの化け物、呼び出したとかじゃなくて双子の兄弟だったんかい、っていうのがすごく好きだなぁ。
 抜粋。「レッド・フックの恐怖」より。


(略)半無定形の存在にいたっては、半分喰ったものをつかんでいたのだが、まだ生きている部分が慈悲を求めて泣き叫んでいたり、狂気の笑いをあげたりしていたのだった。


 生きながら喰われたらそりゃ狂うわ。

2019年4月29日

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読書状況 読み終わった [2019年4月29日]
カテゴリ 古典/海外

 気づくと狂う。

 四冊目。「宇宙からの色」「眠りの壁の彼方」「故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実」「冷気」「彼方より」「ピックマンのモデル」「狂気の山脈にて」の七編。狂気山脈が長めで他は短編。さっくり読める。クトゥルフっぽいのは「宇宙からの色」と「狂気の山脈にて」かな。「眠りの~」「彼方より」もちょっとそれっぽい。
 基本おぞましいものに触れた人物が狂うのって「気づくから」なんだよな。気づくことができないほど愚鈍であれば逆に助かってる。大きくSAN値が減ったとき、アイデアロールに成功してしまうと発狂っていうTRPGのルール、めちゃくちゃうまくできてるな、って感心しました。気づいちゃうから狂う。
 「冷気」と「彼方より」がさっくりよめて、ほどよくぐろくて怖くて好きです。
 あとようやく読めた、「狂気の山脈にて」。一番ひどくぐちゃぐちゃにされてたのってやっぱりレイクですかね。何度も「気の毒なレイク」って言い方されてたから、そうかなって。作中の〈旧支配者〉には名前は付けられてないのかな。クルウルウの末裔とはまた別の存在なんだよね。〈旧支配者〉が恐れてたらしい山脈は、要するに外なる神と関係あったってことかな? ヨグ=ソトースの名前が出てきたからそうだと思うんだけど、要するに、古代の宇宙からの飛来者(旧支配者)が何パターンもいて、その彼らですら恐れるよりおぞましく、存在の深淵に触れるだけで発狂してしまうような何か(外なる神)がいるってことでよいか。
 抜粋。「狂気の山脈にて」


このはるかな菫色の連なりこそ、禁断の土地の恐るべき山脈以外の何ものでもなかったからだ――地球で最も高く、地球の邪悪のすべての焦点になっている山脈なのだ。


 テケリ・リ! テケリ・リ!

2019年4月26日

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読書状況 読み終わった [2019年4月26日]
カテゴリ 古典/海外

 窓に! 窓に!

 「ダゴン」「家の中の絵」「無名都市」「潜み棲む恐怖」「アウトサイダー」「戸口にあらわれたもの」「闇をさまようもの」「時間からの影」の八編。どれも短め。最後のが長かったかな。
 そもそもクトゥルフ神話ってのはラヴクラフトが体系化したものじゃないからこういう表現するのは違うんだろうけど、「家の中の絵」「アウトサイダー」以外がクトゥルフっぽいかなぁって感じ。「家の中の絵」もアーカムって地名が出てきてはいるんだけど。
 「時間からの影」の大いなる種族って、グラーキのこと? なんか外観の描写がそれっぽいなぁって。調べてないから分からんけど。
 「ダゴン」の「窓に! 窓に!」が読めたから満足なんだけど、ぶっちゃけそれ以上に「アウトサイダー」がめちゃくちゃ好みでした。うん、ほんと、すごい好き。オチは途中で読めちゃうんだけど、なんだろう、最後の一行できっちり落としてくるの、いいよね。「時間からの影」とか「戸口にあらわれたもの」とかも。
 すごいどうでもいいけど「戸口にあらわれたもの」に脱字ない? P125最後から五行目。「決して白くならないじゃもじゃの顎髭を」ってあるんだけど、「もじゃもじゃ」だよね?
 巻末の解説を読んでないので、1、2巻のも含めてちゃんと読んでおきたいです。あとクトゥルフ神話を体系化したダーレスの著作も読みたい。
 抜粋。「潜み棲む恐怖」より。


しかしすべてはむなしく、どこからともなく到来した死は、殺戮を除いて、何らの痕跡も残していかなかった。


 一番でっかい痕跡だろそれ。

2019年4月25日

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読書状況 読み終わった [2019年4月25日]
カテゴリ 古典/海外

 ふんぐるいふんぐるい。

 「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三本。チャールズのはそこそこ長め。クトゥルフ関係は呼び声だけ。でもチャールズ~のなかにヨグ・ソトトって神様は出てくるんだよな。ヨグ=ソトースと同一なのかしらね。
 呼び声も奇怪な事件もどっちも、手に入れた資料をもとに研究を進めていく、みたいなそんな展開。真実に近づくほど狂っていくパターン。奇怪な事件のほうさ、お医者様、ウィレット医師、そこそこご高齢だとは思うんだけど、めちゃくちゃ行動力と勇気あるな。最後、普通の精神力をもったひとだったら、あの地下の地下を探索するなんてできないと思うよ。じーさん、すげーわ。最終的に病院に閉じ込められてたはずのチャールズ(と思われていたもの)は失踪したんじゃなくて、じーさんに祓われた、ってことだよね。チャールズも、秘術のほうまで手を出さなくて、普通に歴史的事実だけ追いかけて研究しとけばよかったのにね。なんで自分でも実践しようと思っちゃうかなぁ。
 抜粋、「クトゥルフの呼び声」より。


要するにぼくは、宇宙が恐怖を楯に守りぬこうとする秘密を知ってしまったのだ。


 宇宙の意思を感じる……

2019年4月19日

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読書状況 読み終わった [2019年4月19日]
カテゴリ 古典/海外

 SAN値がごりごり削られる。

 収録は「インスマウスの影」「壁のなかの鼠」「死体安置所にて」「闇に囁くもの」の四作。クトゥルフ関係は「インスマウスの影」と「闇に囁くもの」。
 改行少なくて文字がびっしり。翻訳ものらしく、遠回りな言い回しが多く一文が長くて意味が取りづらい。読めなくもないけどもうちょっと読みやすくできるだろうなとは思う。まあそしたらこの雰囲気は崩れちゃうのかもしれないけど。
 ホラーとして普通にどれも面白かった。クトゥルフじゃなかったけど、「死体安置所にて」が一番好き。短くて読みやすいし、いいオチです。
 適度にグロくて適度に気持ち悪い。登場人物たちがクトゥルフ関係の何かに接したときに感じるいいようもない恐怖心というか嫌悪感ってのが好きだなぁ。どうしてそう感じるのか、っていう問題じゃないあたりがとても。そういう存在なのだ、と定義されてる感がいい。ただまあ「闇に囁くもの」の主人公、ラストはちょっと軽率だったよ。だって、どう考えても最後の手紙書いたの、別人じゃん。その時点で殺されてるじゃん、エイクリーさん。その手紙の雰囲気だとか文体とか、思考の流れとか、そういうのを根拠にするんじゃなくて、もうちょっと確固とした信じるにたる何かを用意してほしかった。
 抜粋、「インスマウスの影」より。


「(略)――イア! イア! クトゥルフ・フタグン! フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン――」


 まあ引っ張ってくるならここかなって。

2019年4月15日

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読書状況 読み終わった [2019年4月15日]
カテゴリ 古典/海外

 カジノで遊ぶ人についてがメイン。

2019年4月10日

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読書状況 読み終わった [2019年4月10日]
カテゴリ 資料

 カジノそのものについてがメイン。

2019年4月10日

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読書状況 読み終わった [2019年4月10日]
カテゴリ 資料

 幽霊から呪いまで。

 怪談が12編。一つ一つは短いのでさくっと読める。解説にもあったけど、ゴーリーが選んだわりには普通な怪談ばっかりだなぁ、という気も。まあそれぞれ面白かったけど。
 「八月の炎暑」がめちゃくちゃ好き。こういう終わり方、大好き。「大理石の軀」と「猿の手」も好きです。
 挿絵を見るという習慣がないものだから、一通り読み終わったあと、そういやゴーリーが描いてるんだった、ともっかい頭から表紙絵を見直しました。

2019年3月10日

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読書状況 読み終わった [2019年3月10日]

 フォントをうまく使ってデザインするための教本。デザイン例がたくさん載ってるので、眺めているだけで勉強になりそう。
 ウエイトが細めだと高級感が出る、とかっていうのは文章で覚えるより、感覚で覚えた方が早そうだよね。

2019年2月25日

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読書状況 読み終わった [2019年2月25日]
カテゴリ 資料

 なにその素敵な不労所得。税金もかかってないとか最高じゃない。

 正直、この辛夷ヶ丘には絶対住みたくない。なんなのその訳ありのひとしかいなさそうな町。警察もひでーなと思ってたら住人もとんでもねーわ。
 若竹らしいユーモアにあふれた連作ミステリ。ユーモアっていってもブラックユーモア。いつもよりブラックさが増してる。短編が六本入ってるんだけど、少しずつ微妙に重なってるところがあって、最終的に砂井さん最強ですね、っていうオチでした。かっこいいわ、砂井さん。
 全体的に女性が強いのがいいよね。「黒い袖」のお姉ちゃんも好きです。おお、こわ、なむなむ。「葬儀の裏で」のサクラさんもいいね。ミナミちゃんの今後も気になるところ。
 さっくり読めて面白かったです。

2019年2月21日

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読書状況 読み終わった [2019年2月21日]

 精神的クローズドサークルとか、初めて読んだ。

 いやあの、前作でも思ったけど、このひと、天才じゃね? すごくね?
 今回は超能力者、預言者の出てくるお話でした。トンデモ設定のなかでうまく転がしてくれるのは前作で実績があるので全然心配はしてなかったんだけど、預言をそう使ってくるかっていう。その発想はなかったわ、ほんと。
 物理的にもクローズドサークルなんだけど、こう、動機の面というか、犯人が犯行に至らざるを得なかった理由がね、なるほど、と。
 そこで感心しているところで、もう一つオチが重なって、さらに最後にもっかいひっくり返されるっていう。展開がすばらしい。文句がない。トンネルの話はこれ絶対あとで生きてくるなって思ってたんだよ。読んでる途中で忘れちゃったけど。うんほんと、面白かったです。比留子さんと犯人の死闘の部分とか、鳥肌立つね。
 要所要所に明智さんが生きてきてるのがすごい好き。あと純くんが健やかに育ってくれることを祈ってます。
 抜粋。勧められたミステリを読んでの比留子さんの感想。


「あんなに心配しながら読んだのに。ああ騙されたよ笑えばいいさ。ミステリは意地悪ばかりだ!」

2019年2月20日

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読書状況 読み終わった [2019年2月20日]

 まごうことなき青春劇。

 ろくに帯を見ることなく読み終わってしまって、あとから気づきました、「場面転換なし」の短編集だったんだねぇ。言われてみればそうだ。
 創元ではなく集英なので、青崎だけど柔らかくて読みやすかったです。うん、これは普通の本好きさんにもおすすめできるやつ。面白かった。殺人事件がー、とかいうようなミステリではなかった。なんだっけ、若竹のさ、日常ミステリの呼び方。コージーミステリだっけ。あれに近い。
 同じ町が舞台で主人公が高校生で。最後のエピローグで軽くみんな繋がって、みたいな、綺麗な終わり方だったな。殺風景さんが好きですし、観覧車の先輩後輩にはぜひ幸せになってもらいたい。とちゅうまであれ、性別トリックを疑ってたけど、ふつうにBLなんだなって思いなおしました。これだけトランスジェンダーがどうのこうのって言われてるんだからまあ、男同士の話が自然に紛れても問題はないのよな。つい反応しちゃうのは腐ってるからであって。
 一番好きなのは断然表題作、「早朝始発の殺風景」。オチが秀逸すぎた。
 抜粋、「夢の国には観覧車がない」より。


「壊さないために周りを見せないっていうのは、結局現実を覆い隠してるってことじゃないですか。それってなんだか不気味ですよ。ソレイユランドのほうが健全に思えます」


 某夢の国に観覧車とかない理由の一説に、「高いところから見ると周囲のビルとか、バックヤードとかが見えて夢が壊れるから」っていうのがあるそうな。

2019年2月2日

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読書状況 読み終わった [2019年2月2日]

 いいからはやくくっつこうよ、ハギリ先生とウグイさん!

 Wシリーズ最終話。
 まあ、うん、森博嗣らしいというか。相変わらずはっきりとした物語の進展をさせない作家だなぁ。その話のなかで起こった事件への解決は一応書いてくれるんだけど、シリーズ通しての謎というか、結局どうなるのよ、っていうあたりはふんわりしたまま。どのシリーズもだいたいそんな感じだよね。次に続けるつもりだからなのか、書く気がもともとないのか。マガタシキがほんと結局何がしたいのか、なんのためにちょくちょく現れてるのか、全然、まったく想像もできません。今回はウグイさんが可愛かったからまあいいや。
 抜粋。


「人間だけが、奇跡を信じる」


 それも不安定性からくる思考だろうね。

2019年1月29日

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読書状況 読み終わった [2019年1月29日]
カテゴリ その他エンタメ
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