方舟は冬の国へ (カッパノベルス)

著者 :
  • 光文社 (2004年8月20日発売)
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本棚登録 : 152
感想 : 29

 表紙に偽りあり。何処が「長編本格推理」なんだよ。帯には「鮮烈にして不可思議な、家族をめぐるミステリー」だと。
 うん、「ミステリ」ではないな。「ミステリー」だ。少なくとも本格じゃねぇ。
 いや、これはこれで面白かったんだけど、読み終わって何処がミステリだったんだ、と。
 見ず知らずの男女と少女がある別荘で一月ほど家族の振りをして過ごす、という仕事。その間、未来予知してしまったり、思っただけで会話が出来たりと、不思議なことが起こるんだけど、それには裏があって。こんなストーリィ。
 西澤らしいエセサイエンス臭さ。これね、もうファンタジィだよ。サイエンスファンタジィ。他の作品と違ってその設定の中でうまく論理を通して謎解きをしているものではない。
 ただなぁ、ところどころに挟んである研究所(?)のところ。その辺り、理解してません。弱い気がするんだなぁ。どうしてあの老婆がそこまで悩んでいたのか分からないし。孫娘の望みじゃん。
 人間ドラマを読ませる話。まあ、ミステリじゃなければそれが普通なんだけど。
 家族ものが好きな人にはお勧め。
 ラストはすごく好みです。

04.09.10

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ・ホラー
感想投稿日 : 2013年1月1日
読了日 : 2013年1月1日
本棚登録日 : 2013年1月1日

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