心のなかの冷たい何か (創元推理文庫)

3.26
  • (8)
  • (27)
  • (77)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 279
レビュー : 44
著者 :
こぐのすけさん ミステリ・ホラー   読み終わった 

 再読。思っていた以上に薄暗かった……。

 最近のコージー的な若竹の印象が強かったからさ。そういえば初期はこういう系統だったっけな……。いやなんつーかまあ内容は全然覚えてなかったんですけどね。
 こう、救いがないよなぁ。等身大というか、そう簡単にハッピーエンドにはならないと思い知らされるというか、現実的に考えて、すべてが丸く収まるだなんてことがありえるはずもないのよねっていう。
 一部の部分は綺麗に騙されましたよね。どうにもこの「わたし」がなんか印象違うなぁと思ったらそもそも思ってた人物と違ったっていう。ありきたりな手なんだけど綺麗に引っかかった。上手いなぁ。
 いやに男と女の性別に関する記述が多い話だったなという印象。この時代はこれくらいが普通だったのかしら。男だからこう、女はこういうところがある、みたいな。読んでいてさすがにちょっといらっとくる。
 後半の自殺未遂について探っている部分も、ちょっといろいろと発想が飛び過ぎてないか、と。正直、宝石販売をやってたのが一ノ瀬妙子自身だった、とか、想像力逞しすぎやしませんかね。いろいろと強引なところがあるよなぁ。まあ素人探偵の一人称で、論理ガチガチの本格ものじゃないからこれはこれで「味」なのかなと思わなくもない。最終的には面白かった、っていう感想に落ち着くしな。
 毒殺魔の手記の部分がすごく好きです。若竹七海、こういうマッドっぽいのも書けたんだなぁ、と改めて。
 会話のやりとりとかところどころ笑える部分もあって、ああこのあたりは昔から変わってないなって思いました。
 抜粋。主人公のセリフ。


「ねえ、リキ。おチンさまって、いったいなあに」


 聞いてやるなよそんなことをよww

レビュー投稿日
2016年5月30日
読了日
2016年5月30日
本棚登録日
2011年6月14日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『心のなかの冷たい何か (創元推理文庫)』のレビューをもっとみる

ツイートする