BLに癒しを求めて読んでいるとは程遠い読者だが、これは癒されるわ…。糸井のぞさんはビジュアルが重なる(美形同士、と言う具合に)者同士を描かない傾向の作家さん、と言う認識なんだが、その重ならない具合にわざとらしさとか作為的なものが感じられないので、決して上から目線で物を言う訳ではないが、信用度が高い作家さんなのである。現実に居たらモブ的に周囲に埋もれそうな人物の魂を描くのが上手い、と言うのか。ジロさんの様にちっちゃくて真面目な人、って会社に居たりするから(笑)ちっちゃいだけじゃないぞ、って気付く瞬間とか、リアルに想像できるんだよなぁ。ほぼちびキャラっぽく描かれてしまうジロさんのちびキャラ具合が絶妙で、癒されずにはいられない。ちっちゃいのにしっかり者、と言うギャップに萌えたわけではない、しっかり者でも寂しいんだ、と2か月もゴロウ探し回ったジロさんが言うあの場面で、人の出会いの不思議を垣間見た気がして、一見「まったり癒し系」のみで終わらない所が非常に好きである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年9月25日
- 読了日 : 2014年9月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月1日
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