ヘルピングの心理学 (講談社現代新書 1091)

  • 講談社 (1992年3月1日発売)
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感想 : 6
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この理論の優れているところは、いわば両極とも言えるロジャーズ理論と行動主義の良いとこ取りをして一つのプロセスにまとめ上げたことだ。確かに合理的で実用的ではあり、忙しい今の世にフィットするものであるかもしれないが、それによって中和され深みが失われていることも否めない。この理論そのままの企業の人事評価制度、90年代我国を席捲した成果主義=目標管理は、目下俄然批判の対象でしかない。要するに“ビジネスライク”にもう人はついてゆく気がなくなっているのだ。経営者に求められるのは理念であり哲学だ。それは決して古臭くはない。
ロジャーズには終世強い思想があった。それは「権威の逆転」への志向であり「静かなる革命」を目指していた。新自由主義経済下では心理学者たちもそんな悠長なことは言っていられなくなり、ロジャーズを忘れた。(傾聴技法だけは残っているが、彼の精神は完全に置き去りにされたままだ)
まずは、目先の忙しさから足を抜いてみることが第一ではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学
感想投稿日 : 2011年6月21日
読了日 : 2011年6月21日
本棚登録日 : 2011年6月21日

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