ものぐさ精神分析 (中公文庫 M 181)

  • 中央公論新社 (1982年6月10日発売)
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感想 : 3
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フロイト原理主義といえばジャック・ラカンだけれど、とても読めたしろものじゃない。その点本邦には明解痛快な先生がいるから愉快である。
人間は自然を支配するために文化をつくったが、こんどはその文化の規制におしつぶされて神経症になるというのがフロイトだが、岸田理論は個人のもつ私的幻想のうち他者と共有できない部分がエスのなかに蠢き発症するという。
これに基づいて、歴史、人間、社会のすべてが説明される。あまりにわかりやすくて怖いほどである。
岸田は臨床家ではない。逆に患者である。思索家であり著述家である。それを踏まえて気をつけて読まないとおぼれてしまうかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学
感想投稿日 : 2012年2月14日
読了日 : 2012年2月14日
本棚登録日 : 2012年2月14日

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