アーレントは、自ら抑留体験をもつユダヤ人でありながら、シオニズムに与せず、イスラエルからもドイツからも離れたコスモポリタン性に希望を見出だそうとし続けたひとである。ほんとうの「公共」とは、民族や国家ではないはずだ。
人間の本源的活動を、労働や仕事と峻別し、常に思考し、企て、始動することによってのみ、人間は関係付けられ、世界は形成される。
しかし、このような思想が、既存勢力(固定観念と言ってもいい)に対していかに受け入れられにくいものであるかということもこの映画は教えてくれる。
凡庸な悪、思考停止は、ますます世界を覆っている。
21世紀にこの映画が訴える意味をよくよく考えて見なければならない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2015年2月2日
- 読了日 : 2015年2月2日
- 本棚登録日 : 2015年2月2日
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