人間はどこまで動物か (新潮文庫)

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レビュー : 27
著者 :
コナン.O.さん  未設定  読み終わった 

日本の動物行動学の第一人者が新潮社のPR誌『波』に連載したエッセイをまとめ、文庫化したものである。
著者は、1982年に設立された日本動物行動学会の初代会長で、『春の数え方』で日本エッセイスト・クラブ賞(2001年)を受賞しているほか、コンラート・ローレンツによる世界的名著『ソロモンの指環』やリチャード・ドーキンスのベストセラー『利己的な遺伝子』の翻訳を手掛けている。
40篇のエッセイでは、生存戦略などの昆虫の様々な生態、タヌキの子育て、外来生物、花粉症などの自然や動植物に関するテーマから、自らが学長を務めた琵琶湖畔の滋賀県立大学の建設と自然の問題や教育などについて、ユーモアを交えて語られており、読み易い。
書名である「人間はどこまで動物か」と題する一篇では、「人は、「イヌはどこまでネコか?」という問いを発することはない。それは人々が無意識のうちに、イヌとネコはまったく違う動物であることを知っているからである。・・・それなのに人は、なぜ「人間はどこまで動物か?」と問い続けるのだろう?そこには常に一本のスケールの上での到達度を問題にしようとする近代の発想の呪縛があるようにしか思えない」と、近代の人間の(動物学の分野に留まらない)あらゆるものの捉え方に対して強い疑問を呈している。
(2014年1月了)

レビュー投稿日
2016年1月11日
読了日
-
本棚登録日
2016年1月11日
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