イラストで読む ギリシア神話の神々

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著者 :
コナン.O.さん  未設定  読み終わった 

杉全(すぎまた)美帆子(1974年~)氏は、女子美大卒、広告制作会社・広告代理店にグラフィックデザイナーとして勤務後、イタリアへ留学し、帰国後は本「イラストで読む~」シリーズなどを発表しているイラストレーター、作家。
ギリシア神話は、紀元前15世紀頃から、各地を遍歴する吟遊詩人らによって伝承されてきたが、紀元前9~8世紀頃にホメーロスの二大叙事詩『イーリアス』と『オデッセイア』が作られ、その後に続いたヘシオドスの『神統記』により、神々や英雄たちの関係や秩序が体系的にまとめられ、「体系的なギリシア神話」が成立したと考えられている。
何もない状態(「混沌」)から世界が生まれ、ゼウスが神々と人間を統治するようになった経緯や、多くの神々(ゼウス、アポロン、アフロディテ、アテナ、ディオニュソス、ヘルメス、ポセイドンらオリンポス12神など)や英雄(オルフェウス、ヘラクレスなど)が登場して人間のように愛憎劇を繰り広げる展開などは、日本の記紀神話にも相通ずるところが少なくなく、世界各地に伝わる神話の成り立ちの関連性にも興味が湧く。
また、ギリシア神話は、古代ギリシアの哲学や思想、ヘレニズム時代の宗教や世界観、キリスト教神学の成立など、多方面に影響を与え、西欧の精神的な柱の一つとなり、中世以後も、ルネサンス期、近世、近代の思想や芸術において、そのインスピレーションの源泉となっていた。
一方、一般的な日本人としては、その神々らの名前は結構頻繁に目や耳にするものの、冗長な「ギリシア神話」本体を手に取るほどではないというのが正直なところであるが、本書は、イラストで神話の大きな筋を追いながら、関連する芸術などを紹介するという仕立てになっている。特に、数十に上る登場人物を相関図にした上で、我々も名前を聞いたことがあるような主要な人物(神・英雄)ごとに説明するという構成は工夫されており、私も、大きな苦労なく読み進めることができた。また、今後も、神々の名前に触れるたびに、本書を参照することになるだろう。
(一般の人が知りたい)ギリシア神話・ギリシアの神々のエッセンスが、読み易くまとまった良書である。
(2020年11月了)

レビュー投稿日
2020年11月26日
読了日
2020年11月26日
本棚登録日
2020年6月4日
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