子供の頃、私は早く大人になりたかった。
してみたいことを制限される窮屈な子供の世界とは違い、大人の世界は今よりもっと広々と自由なものだろう、と勝手に思い込んでいた。
けれど、実際の大人の世界はそんなに甘いものではない。
女友達やママ友との距離感、子育て中の妻の扱い等で思うようにいかず悩んだりと情けない。
育てている鉢植えに一人でそっと水やりをするように、深夜に一人、凹んで乾いた心にひっそりと水やりをして自分の気持ちを整理し、折り合いをつけようとする大人達。
けれど、水やりし続けることで少しずつ乾いた気持ちにも水分と栄養が満たされていく。
水やりは続けることに意味がある、と気付かせてくれる短編集。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
窪美澄
- 感想投稿日 : 2018年12月1日
- 読了日 : 2018年12月1日
- 本棚登録日 : 2018年12月1日
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