恋っていう名前のものじゃなかった。でも、知らんふりは、できないものだった。
知らんふりできなかった想いは「あたし」の中に確かにずっと残ってる。
雑誌『クウネル』に連載された22の短編集第2弾。
今回も様々な「あたし」達の揺れ動く想いに、私の気持ちも揺さぶられっぱなし。
第1弾から続く修三ちゃんとアン子の親友コンビに加え、初登場の誠子さんと山口さんコンビもとてもいい。
この二組は長編にしてほしい。
この他印象的だったのは『海石』。川上さんの不思議ワールド全開の話で初っぱなからやられた。
どうして「陸のいきもの」は相手を好きになると混じり合わないようにしてしまうのだろう。
「海のいきもの」のように好きと好きが引き合ってくっついちゃうといいのにね。
また今回は美味しそうな料理も印象的。
ケチャップごはんに、修三ちゃんお手製の黒豆、アン子お手製のはまぐりずし、鶏のまるごと煮込み、ブイヤベース…。
料理と一緒に、作った時食べた時の想いも伝わってきた。
このシリーズはこの先もずっと続けていってほしい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
川上弘美
- 感想投稿日 : 2018年7月6日
- 読了日 : 2018年7月5日
- 本棚登録日 : 2018年7月5日
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