月日が流れ、たとえ逢う機会がなくなっても、ますます色濃く胸の奥に深く根差す少女の頃の記憶…。
中学1年生の1年間だけ、母と離れて芦屋の山の上の洋館で暮らすことになった朋子。
そんな朋子の夢のような温かな日常は、大人になって思い返しても忘れることが決してできない大切な宝物。
コビトカバのポチ子に乗って小学校へ通ういとこのミーナ。
丸々とした胴体から伸びる可愛らしい脚で歩くポチ子の上に股がって悠然と行進するミーナは、やがてポチ子の背中を降り、自分一人の力で行進し続ける。
エールを送りたくなる清々しい物語だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小川洋子
- 感想投稿日 : 2017年8月20日
- 読了日 : 2016年4月28日
- 本棚登録日 : 2016年11月27日
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