
これは闘う女性達の物語だ。
国も社会的背景も職業も年齢も何もかもが異なる三人の女性は皆、理不尽な世の中と闘っている。
カースト制度のせいで奴隷のような生活を余儀なくされるインドのスミタ。
父の事故を機に倒産寸前の工場を突然背負わされたシチリアのジュリア。
弁護士としてのサスセスストーリーを上り詰める目前で乳癌の告知を受けるカナダのサラ。
何故自分だけがこんな目に…周りの柵に押し潰され、それでも怒りの炎をパワーに変え誇り高く、自分の道を真っ直ぐ進んでいく。
全く交わることのなかった三人の人生が「髪の毛」で繋がった時、涙が止まらない。
「髪の毛で結ばれた女たちへ、愛し、子を産み、願う女たち、何度も倒れ、また立ちあがる女たち、うちのめされても、屈しない女たち、その戦いは私も身におぼえがある、その涙とよろこびを分かちあう」
ラストの三人の希望に満ちた笑顔を私も忘れない。
世界中の沢山の人達に読んでもらいたいと願う作品だった。
「最期まで戦う。けっしてあきらめない:サラ」
「必要なのは勇気と信念だけ。自分にはある:ジュリア」
「まったく悲しくはない。確信があるのだから:スミタ」
「男性に闘いを挑むつもりはありませんでした。闘う相手はまず社会です:著者」
著者の力強いメッセージが、どうか世界中に届きますように。
- レビュー投稿日
- 2019年6月23日
- 読了日
- 2019年6月23日
- 本棚登録日
- 2019年6月22日
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