むかしむかしあるところに、死体がありました。

著者 :
  • 双葉社 (2019年4月17日発売)
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感想 : 650
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昔話って子供に話して聴かせる物語にしては結構残酷だな、と常々思っていた。(もちろん残酷でない物語もある)
そんな、誰もが子供の頃大人から読み聞かせてもらった覚えのある昔話『一寸法師』『花咲か爺さん』『つるの恩返し』『浦島太郎』『桃太郎』をミステリ仕立てにアレンジした短編集。

一寸法師の下心、花咲か爺さんのダイイングメッセージ、つるのパワハラに対する意趣返し、竜宮城密室殺人事件、そして鬼サイドから見た"桃太郎"。

特に『花咲か爺さん』と『浦島太郎』が面白かった。
花咲か爺さん殺しの真犯人はすぐに見当はついたけれど、その真犯人に対する計画的な仕返しにはドキッとした。成功するといいな。
反対に『浦島太郎』の伊勢海老殺人(殺海老?)事件の真犯人は最後まで分からなかった。
真実を知った時の浦島太郎の気持ちを考えると、ちょっと切なくなった。
それにしても鬼サイドから見た『桃太郎』…確かに桃太郎一味って、昔話史上上位にくい込む位、怖くて残酷だよね。

続編があるとしたら『かぐや姫』が読んでみたい。
野心に満ちた冷酷な"かぐや姫"のミステリは想像しただけでゾクゾクする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年2月14日
読了日 : 2020年2月14日
本棚登録日 : 2020年2月13日

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