傷ついた者しかたどりつけないスナック”キズツキ”。
昭和の香りたっぷりの店内の寂れ具合といい、スナックのママ・トウコのマイペースな感じが、お客のムシャクシャした気持ちを自然とほぐしてくれる。
あえてアルコールを出さないところもいい。お酒に逃げても何も解決しないもんね。
連作短編集。別の短編での困ったさんも実は色々悩んでいたりして。自分だけ損してるってクヨクヨしていたりして。けれどみんなが些細なことでちょっとずつ傷ついている。
トウコの、お客の本音を引き出して発散させる不思議な魅力がクセになりそう。
ココアの粉を煎った上に牛乳を練りながら作るホットココアも飲んでみたい。
ぜひ続編を出してほしい。
原田知世主演のドラマも観てみたい。
「17歳に戻りたいとは思わないけど無敵だったあの頃がなつかしい」
「もう真夜中に走って会いにいくような、そんな恋もできない」
「夢って叶っただけじゃダメなんだ。離れないようにさ、背中にくくりつけて歩きつづけなきゃなんない」
心に刺さるセリフも多くて泣きそうになった私もスナック”キズツキ”のお客になれそう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
益田ミリ
- 感想投稿日 : 2022年2月20日
- 読了日 : 2022年2月20日
- 本棚登録日 : 2022年2月20日
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