おじいさんのデッキブラシ
読書状況 読み終わった [2024年4月11日]
読書状況 読み終わった [2024年4月10日]
読書状況 読み終わった [2024年4月6日]

「降り積もる。時は降り積もる。誰もが、骨になり、灰になり、時間の底に沈黙する。
ああ、こうして全てが忘れ去られる。
生きたことも、愛したことも、全て何もなかったことになってしまう。」(p.267)

一つの線を越える存在を扱う本を読むことが続いた。(「ひとりでカラカサー」然り)
視点、時間軸が固定されておらず、頻繁に切り替わるので没入するのは読書に慣れていないと難しいかも。

2024年2月20日

読書状況 読み終わった [2024年2月20日]
カテゴリ あ行の作家

ぐいぐいと読ませる勢いがある。ドラマはだいぶ設定が変えてあったのだな。

2024年2月16日

読書状況 読み終わった [2024年2月16日]
カテゴリ さ行の作家

誰もが幸せをまとって歩いている百貨店の雰囲気を彷彿する。行間から香るコフレや香水の香り。うつくしい布をまとうことは、まとう自分を愛することに繋がるのだろう。衣服は布だと思っているが、思いの託された布の価値も知っている。「着られた服に宿る記憶を紡ぐ」ことは、「着られた時間を記録する」ことになるのだろう。

2024年2月10日

読書状況 読み終わった [2024年2月10日]
カテゴリ た行の作家

犬がすきだ。神様の遣わしものとも称される、誇り高く、賢く、突き抜けてやさしい、そのぬくもりを知っている。あの子の毛並みを、鼓動のリズムを、わたしの手のひらは確かに覚えていて、ずっとずっとわたしの中に生き続けている。
ぐるりと巡る7つの短編、透徹したいぬの眼差しによって見つめられる人びと。
あっけなく人は死に、奇跡のように生まれ、世界はしずかにつづいてゆく、いぬとともに。

2024年2月10日

読書状況 読み終わった [2024年2月10日]
カテゴリ は行の作家

香りを扱っているのに、ビジュアライズしやすいというか、映像をイメージしやすいのが不思議。
全てを語らずとも、読者の想像力によって語られていない部分が補完され、物語が「完成」に近づいてゆくのは文章表現のすごいところだ。
かたちのない言葉、が、かたちのない香りや味覚、を表現できることの可能性(あるいは危険性)の前には何度だって新鮮に驚いてしまう。
カモミールにオスマンサス、ペパーミント。暮らしのすぐ近くにある芳香の色彩は明るくて、質感は軽くて、やわらか。

2024年2月6日

読書状況 読み終わった [2024年2月6日]
カテゴリ た行の作家

「なにものでもない私」として生きてて、死んでゆくことの困難。所属や帰属によって、なんらかの代名詞が増えていくけれど、最期はそれを削ぎ落とした先で、という願望。
それを実現するすべを、(たとえ表面的ではあっても)軽やかに提示する。残酷な「死」を扱っているなお柔らかい。
「いまごろそれぞれの場所で、正月を迎える準備をしているだろう。そして、まだしばらくこの世を生きるだろう。」(p.230)
安心をくれる、信じられる当たり前、が突然崩れる時代にあって、言葉はあすを照らす光になる。もう一度、信じてみようと。

2024年2月3日

読書状況 読み終わった [2024年2月3日]
カテゴリ あ行の作家

本邦に軽やかに生きる女たちの群像劇。
Love the life you live, Live the life you love.
「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」が読み返したくなった。

2024年1月30日

読書状況 読み終わった [2024年1月30日]
カテゴリ あ行の作家

「ひとことも残さず妻がこの世から去っていったことで私の心は深く傷つけられました。人目にはつきませんが、心にぐさりと深い傷あとが残りました。心の芯まで達する深手です。にもか関わらず、わたくしは死ぬくることなく、こうして長々と生き延びました。それが救いのない致命的な傷であることに、初めのうちは気づかなかったからです」(p.382)

「本体と影とは、状況に応じて役割を入れ替えたりもします。そうすることによって人は苦境を乗り越え、生き伸びていけるのです。何かをなぞることも、何かのふりをすることもときには大事なことかもしれません。気になさることはありません。なんといっても、今ここにいるあなたが、あなた自身なのですから」(p.383)

自己の穴蔵に飛び込む時、彼の文節ほど近しいものはない。今ここにいるわたしこそが、わたしなのだもの。

2024年1月18日

読書状況 読み終わった [2024年1月18日]
カテゴリ ま行の作家

「一瞬の風になれ」をどうしても読み直したくて、当時800を走っていた弟にあげたのに買い直してしまった。

「私は途中で帰ることができなった。これまでは、どんなに心残りでもしぶしぶ一人で帰ったのに。帰らないと世界が終わると言われても横スタから出られなかった気がする」(p.57「パレード」)
泣いちゃうかと思ったな。わたしはそういう空気を知っていた気がするもの。

2024年1月9日

読書状況 読み終わった [2024年1月9日]
カテゴリ さ行の作家

「筆談の目的は、ベートーヴェンとのコミュニケーションだ。コミュニケーションを記録することではない。それにもかかわらず、紙という存在が偶然もっている特性ゆえに書きつけられた言葉は時間を超えて保存され続ける。何年も、場合によっては何十年何百年も。」(p.117)

昔から「紙に文字を記録する」ということへの偏執はひどいのだけど、それが「歴史を紡ぐ」こととほぼ同義なのだと認識を新たにする。正しかろうが、誤っていようが、それはそのまま、後世に託される。音声は形を持たないし、電子データは保存性、記録性という意味で非常に脆弱である一方、かさかさと乾いた紙に刻まれた文字は常に歴史の証人なのだ。

「あなたはこうあるべきだ」「こうでなければならない」というファナティックな姿、自他境界が曖昧な様というのは、滑稽にも映るけれど、それは現代の偶像(アイドル、あるいは推し)崇拝にとても似通っていて、いつまた同じ過ちが侵されるか分からない怖さがある。そもそも「過ち」でさえないのかもしれない。
時代の要請に従って、わたしたちは見たいように見たいものを見て、オセロの白石を黒石に替え、黒石をひっくり返し白石にする。「正しさ」は常に揺らぐのだということ。あなたはあなた、わたしはわたし、の線引きをしっかりすることの重要性を改めて肝に銘じる。

2024年1月6日

読書状況 読み終わった [2024年1月6日]
カテゴリ か行の作家

「本を読む」という体験と、「おいしいものを食べる」という体験はとても似通っているのかもしれない。
進めるうちに、残るものが少なくなってしまって、もったいない!と小さな声でさけびそうになる。あるいは、こちらのコンディションによって「おもしろい」「すきだな」の感想が安易に揺らぐ。それでも何度だって読み返し直すことができるのが書籍の良さだと、やっぱり思う。
有名なお店、に限るんじゃなくて、わたしの特別、なお店のケーキが食べたくなる一冊。

2023年11月16日

読書状況 読み終わった [2023年11月16日]
カテゴリ た行の作家

シェフ×女船長。極限状態にあってさえ、「美食」はなにごとにも優先される。食とは単に欲を満たすものではなくて、心を満たすものなのだと。腹の熱で酵母を発酵させるシェフの執念たるや!それに応じて、海の上ですら美しく着飾ることを怠らない女船長(※海賊)。香辛料のにおいが行間から香り立つよう。

2023年10月14日

読書状況 読み終わった [2023年10月14日]
カテゴリ 海外の作家

ホーソーンシリーズの第4作。劇場には“怪人”が潜む。キャラクタの人物造形をつかったミスリードが巧み。ミステリを読むよろこび。物語の入れ子構造がうまい。

児童文学出身の著者が物語の力を信じてくれていることも、すごくすきだ。
「物語というのは、そもそも共有するものだろう。そのために物語が存在している、と言ったっていい。それぞれ別の立場にあるわれわれをつないでくれるのが、まさに物語なんだ。そんなふうにして、われわれはお互いを理解しようとする。その理解こそが、わたしの仕事のいちばん大事な部分なんだよ」(p.263)

2023年9月24日

読書状況 読み終わった [2023年9月24日]
カテゴリ 海外の作家

「生きづらさ」が免罪符とされることには疑義を投げかけたいけれど、「踊り場」があることに救われることは知っている。「それでも、あなたは素晴らしい」という、無条件の肯定のみが背を押してくれるときもあるし、その一言によってしか救われないときがある。
人生という舞台で、いのちを紡ぎ、生涯を演じている。その事実に大きな拍手を、賛歌を。カーテンコール!

2023年9月8日

読書状況 読み終わった [2023年9月8日]
カテゴリ か行の作家

読み終えて目次に戻り、それぞれの話をきちんと思い出せる短編集は優れた作品だと思う。収録作いずれもキャラが立っている。物語に乗って、どこまでもゆける。のびやかな、やわらかな心をもつティーンエイジャーたちにこそ手に取ってほしい一冊。
「無知の知」というか、正しさの揺らぎ、を教えてくれる。こどもにとって学校、先生は絶対のようで、でも実はそんなことはない。
贖えない罪はある、それでもあすを迎えることはゆるされていいと教えてくれる「逆ワシントン」が特にお気に入り。やり直そう、何度でも。

2023年8月21日

読書状況 読み終わった [2023年8月21日]
カテゴリ あ行の作家

実在するゴッホやゴーギャンといった人物に素材を得て、「あったかもしれないドラマ」を紡いでいく。なんだろう、ころころと変わる語り部の熱量というか、そういった部分に入り込めなさがあった。

2023年8月20日

読書状況 読み終わった [2023年8月20日]
カテゴリ は行の作家

最初から最後まで無駄なく張り巡らされている伏線が回収されていく快感。よいミステリを読んだ!という爽快な読後感。

2023年7月22日

読書状況 読み終わった [2023年7月22日]
カテゴリ 海外の作家

ややキャラクタの人物造形が中途半端。もともとカタカナにすごく弱いので、何度か人物紹介のページに立ち戻ることになる。動機の部分でも弱さを感じるけれど、それは犯人のありようを踏まえてのことなのか、はたまた。着地点から書かれたというよりは、書きながら軟着陸された印象。

2023年7月15日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年7月15日]
カテゴリ 海外の作家

「死んではいけない理由を重ねていって、それを数えたい」という甘えについて、すごく思い当たることがあって、でもわたしは彼よりたぶん、ちゃんと立っている。その境界はどうしようもなくぼんやりしたものなのだろう。結局のところ、誰も救ってくれなどしないので、という諦観を手に入れられるかどうかが、イエスを求めるかどうかにつながってくる。ラウンドアバウトのサウンドは誰にでもやさしい。

2023年7月8日

読書状況 読み終わった [2023年7月8日]
カテゴリ あ行の作家

「壜の塩、かつては海をやっていたこともわすれててきらきらきらである」
時間、空間のうつくしさ、あるいはよどみを巧みに閉じ込めているので、その破片がつきんつきんと刺さってくる。

2023年7月1日

読書状況 読み終わった [2023年7月1日]
カテゴリ 歌集

うまい言い方が分からないけれど、この物語が「求められる」「評価される」時代は、きっとあんまり幸福じゃない。胸にぽかりと空いた孤独のかたちは、一つとして同じものはなく、近しい何かを抱えたひとたちが、ひそやかに寄り添う。ひとりぽっちではない。そう信じられることが、あすを生きるよすがになる。
出合えたならば、つかまえて。その手を決して、ほどいてはならない。

2023年7月1日

読書状況 読み終わった [2023年7月1日]
カテゴリ ま行の作家
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