美について (講談社現代新書 324)

著者 :
  • 講談社 (1973年6月20日発売)
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本棚登録 : 332
感想 : 20
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なぜ「美しい」ものに人は惹かれるのか。
美とは一体何か知りたかったため手に取った。
著者の今道先生は、無知な私にも分かるようにこの本を書いて下さり、とても参考になった。


犠牲を払うことが「善」であり、その犠牲が規格を超えて大きいことを「美」という。美とは基本的には精神の犠牲と表裏する人格の姿である。
技術連関に成り立っている現代社会は、プロセス(時間の経過)を最小化し結果を最大化することが本領である。
反対に、人間実在の本質は意識であり、意識は時間性に属する。社会はプロセスという時間性を消去していく構造であり、時間性に属する人間性の消去も知らず知らずに行っている。
しかしながら、芸術体験は時間経過を必要とする。つまり芸術体験は現代社会に抗って、人間の真のあり方の基礎を守ろうとしている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2020年5月24日
読了日 : 2020年5月24日
本棚登録日 : 2020年5月24日

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