血筋も、社会的地位も、財産もある。容姿にも頭脳にも恵まれ、話の分かる美しい妻も、有力な友人達もいる。全てを手にした男が次に求めたのは完全犯罪の達成だった。
生まれついての庶民と致しましては、自分の退屈しのぎに他人の弱みを利用するようなお貴族様にはぜひ痛い目に遭っていただきたい。どっかでボロを出せ、誰かに逃げられるか裏切られるかしてしまえ、と浅ましいことを期待してしまいます。その一方でどんな計画なのか、本当に達成できるのかが気になって仕方ない。強奪のダイナミックな部分と、妻と面接した男性との繊細な心理描写などにも惹きつけられます。やがて明らかになる真の目的とその結果はなんともいえない余韻を残し、誰にとっても1番御し難いのは自分自身なのかもしれないと思ったりしました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2020年9月3日
- 読了日 : 2020年3月17日
- 本棚登録日 : 2020年3月17日
みんなの感想をみる