何者

3.86
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本棚登録 : 7973
レビュー : 1443
著者 :
cowbell01さん  未設定  読み終わった 

前から読みたいと思っていた朝井リョウ作品。でも色々話を聞くと、結構自分にはきついかなと思って、手が伸ばせずにいたんですが、今回初めて読んでみました。
就活中の5人。SNSの言動や、就活の行動、会話、隠しアカウントのメッセージなどを通して、それぞれの持つ気持ちが透けてくる。
個々のの感情が主人公の視点から見える何気ない行動や一言で、見えてくるのが、おもしろい。
途中まで、それほどきつくなかったのが、最後の理香が、主人公拓人に詰め寄るシーンで、一気に重くのしかかってきた。
「あんたは、誰かを観察して分析することで、自分じゃない何者かになったつもりになってるんだよ。そんなの何の意味もないのに」
そんなところ、自分にはないだろうか。一人だけわかったふりしてるけど、その実、うまくいかないことや、他が優れていることから逃げてないだろうか。
全部ピッタリ、ハマるわけではないが、ここで「痛さ」を感じてしまう部分が、自分自身にもあるのではないかと、問い詰められるような、そんな感じになった。
まぁ主人公ほど人に関心はないし、人にどう思われるかも気になるので、そんなに思う必要もないのだが、この部分の描写の力もあって、そんな感じにのめり込ませてくれる。
主人公拓人には、変われる言葉を投げてくれる人達と、その言葉を受ける部分があったのだろう。最後に少し変わった感じを見せて終わるのが、救いになる。
よい感じで忠告してくれるサワ先輩が、いいキャラクターです。
重くはあったけど、ずっと響く話で、心に残った。

レビュー投稿日
2019年6月29日
読了日
2019年6月26日
本棚登録日
2019年6月15日
12
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