BUNGO 文豪短篇傑作選 (角川文庫)

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本棚登録 : 170
レビュー : 13
cronistaさん 文学   読み終わった 

以前、映画化されたオムニバス作品の原作。玉石混交の短編集。

『BUNGO 文豪短編傑作選』角川文庫

 鈴木梅太郎が脚気の原因がビタミンB1の不足だと特定し、年間死者数万人と言われた国民病を劇的に改善したのに、陸軍軍医総監の森鴎外はエリート根性から百姓学者が何を言うかと馬鹿にしてそれを取り入れなかったため、陸軍兵士はバタバタ死んだ。というエピソードをかつて知ったばかりに鴎外は読まず嫌いだったので、この中に所収の『高瀬舟』が初鴎外だった。生き方は共感できないが、作品は実に面白かった。

弟殺しの罪で島流しになる罪人を護送中の同心は、どうしてもその男が肉親を手にかけるような罪人に見えなかった。男はなぜ弟を殺してしまったのだろうか・・・

 昨今のシリアルキラー全盛のミステリー小説ばかり読んでいると、こういう人情味のある、止むに止まれぬ殺人事件というのは人の心を感じられて良い。 

 たぶん実際の鴎外は相当な偏屈で、とても友達になれないタイプだと思われるけれど、文豪といわれるだけのことはある。人柄と作品の出来はつくづく別だと思う。この本には載ってないけど、ついでに『雁』も読んだ。これも良かった。物語の構成はうまくいってなかったけど、文章が上手いからすぐに読み終わった。
 『即興詩人』も読んでみたい気はするが、たぶん一生読まないで終わる気がする。

レビュー投稿日
2017年8月17日
読了日
-
本棚登録日
2015年8月29日
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