わが王国は霊柩車 (ハヤカワ・ミステリ 880)

  • 早川書房 (1965年3月25日発売)
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感想 : 4
3

申し訳ないが、ハードボイルド調(?)の訳文が辛くってなかなか読み進められず難儀しました。
(ヘレンが、マローンのことを「あんた」とか呼んでて、「私のヘレンはそんな蓮っ葉な女性じゃないー(涙)」と、読みながら表現に引っかかりを覚える箇所が次々とあってですね……)
しょうがないので、必死に脳内で、小泉喜美子の訳文だったらきっとこんなステキ表現にしてくれるはず!と変換しながら読み進たりして。なので、実質、本を2冊読んだ体力使った感じです。

今回もしょっぱなから事件が発生する辺り、さすがライス、つかみはオッケー。が、そこから、前半でちりばめられる材料のあまりの脈略のなさと、とっ散らかりぶりに、読んでるこっちはついていくのがやっと。
ヘレンとジェイクの面白かけ合い成分も少なく、残念。
後半になるとようやく、このネタの数々の繋がりが見えてきて、ライスのプロットの凝りっぷりが判るんですが、最後までイマイチ作品の波に乗り切れないまま終わってしまった……。

新訳でテンポ良く読ませてくれるとまた評価は上がりそうな気もするんですが、ちょっと残念な印象…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2012年4月17日
読了日 : 2012年4月17日
本棚登録日 : 2012年2月14日

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