資本主義というシステムが現在の世界を如何に支配しているかについて語っている。
経済のみならず、社会、文化、政治のすべてが資本主義のメカニズムによって突き動かされているという論理の展開は壮大。
その点は評価できる。
しかし、基本的なマルクス主義者の言説から抜け出ているわけではないし、
従属論や周縁性論をベースに少し拡張して考えてみただけという気もする。
なにより、テーマの壮大さに対して薄い本であるだけに、論理展開が甘く、データの裏づけもない。
正直、資本家(生産者)の集団がまるで一つの生き物のように考え、
世界を支配しているのだという幼稚な陰謀論を語っているに過ぎないという印象がぬぐえなかった。
世界システム論のエッセンセスは取れるのかもしれないが、
このままでは説得力の無い、ただの「とんでも本」で終わる気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
開発学
- 感想投稿日 : 2010年12月28日
- 読了日 : 2010年12月28日
- 本棚登録日 : 2010年12月28日
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